どうすれば食事を改善できる? 健康的な食事の4つの基本原則 FAOとWHOが共同声明を発表

国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)は2024年に、「健康的な食事とは? 国際連合食糧農業機関と世界保健機関による共同声明」を発表した。このほどその日本語版が公開された。
健康的な食事は、健康、成長、発育を促進し、活動的なライフスタイルを支え、栄養素の過不足を減らし、ウエルビーイングを促進する。
栄養不良の予防、肥満や糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)の予防、健康増進における食事の役割、食料生産、食生活、環境などの相互関係を重視し、健康的な食事を構成するものについての原則などを示している。
健康的な食事とは? 4つの原則を示す
医薬基盤・健康・栄養研究所は、「健康的な食事とは? 国際連合食糧農業機関と世界保健機関による共同声明」の日本語版の公開を開始した。
この共同声明は、国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)がまとめて公開しているもので、栄養不良の予防、肥満や糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)の予防、健康増進における食事の役割、食料生産、食生活、環境などの相互関係を重視し、健康的な食事を構成するものについての原則などを示している。
健康的な食事は、健康、成長、発育を促進し、活動的なライフスタイルを支え、栄養素の過不足を減らし、ウエルビーイングを促進する。
健康的な食事は、次の4つの基本原則を満たす必要があるとしている。
適切 Adequate |
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欠乏症を防ぎ、健康を促進するために必要な栄養素を、過剰にとることなく十分に摂取する。 |
バランス Balanced |
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健康的な体重、成長、疾病予防を推進するために、エネルギー摂取量、エネルギー産生栄養素(脂質、炭水化物、タンパク質)の摂取比率を考慮する。 |
適度 Moderate |
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健康に有害な影響を及ぼす食品、栄養素、その他の化合物の摂取を制限する。 |
多様 Diverse |
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栄養素の適切さとその他の健康を推進する物質の摂取を促進するため、食品群内および食品群間で、栄養価の高い食品を幅広く含める。 |
適切な食事とは、年齢・性別・体格・体組成・身体活動レベル・生理的状態(妊娠など)・病状に応じた食事摂取基準を、超過することなく満たすものとしている。
適切な食事のポイントとして、次のことなどが紹介されている。
- 主要な3つのエネルギー源(タンパク質・脂質・炭水化物)の適切なバランスがとれていることが大切。これらの三大栄養素のエネルギーバランスは成人では、タンパク質 10~15%、脂質 15~30%、炭水化物 45~75%を推奨。
- ナトリウムは必須ミネラルだが、摂取量が多いと血圧が上昇し循環器疾患の原因になるので、その摂取量は成人で1日2g未満(食塩相当量では5g/日未満)に制限するべき。
- 食品や飲料に添加された遊離糖類(砂糖・ブドウ糖・果糖など)は、必須栄養素ではなく、摂取量は1日のエネルギー摂取量の10%未満に制限するべき。5%未満であればさらに健康効果が期待できる。
- 1日のエネルギー摂取量のうち、飽和脂肪酸は10%以下、トランス脂肪酸は1%以下に抑える。
- 食事の多様性は、健康的な食事の基本要素。食事で多種多様な食品をとると、ビタミンやミネラルの必要量を満たす可能性が高くなる。
さらに、「結論:健康的な食事パターンを認識し称賛する」の章では、食事パターンは、個人の嗜好や信念、文化、伝統、宗教、収入、食品の入手しやすさ、買いやすさなど、社会的・経済的・環境的なさまざまな要因によって決定されるとしている。
4つの基本原則を満たし、安全な食品で構成されている限り、多くの食事パターンが健康的でありうる。
「すべての政府に対し、持続可能な農業・食料システムによる健康的な食事パターンを促進し、それを可能にする政策やプログラムに情報を提供するために、農業・食料システムの見地から食事ガイドラインを開発し利用することを促す」としている。


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