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中2の子どもがいる世帯「働く母親は82%」-21世紀出生児縦断調査より

働く母親は増加している

 厚生労働省はこのほど、平成22(2010)年出生児を対象にした「21世紀出生児縦断調査」の第14回結果を取りまとめ、公表した。平成13(2001)年に行った同調査と比較すると、働く母親の増加が見られ、さまざまな子育て支援がより一層求められている。

 「21世紀出生児縦断調査」は出産や育児、教育、保護者の就業や生活環境などについて、長期的な変化を同一客体で追跡する縦断調査。平成22年(2010年)5月10〜24日に出生した子の中から抽出して実施。第14回調査の時点で、対象の子どもは14歳(中2)になっている。

 第14回調査は2024年5月に行い、調査票の回収数は20,295(回収率82.3%)だった。調査項目は、保護者に対しては就業状況、子育てについてなど。子どもに対しては家庭の状況や父母との会話など。過去に行われた平成13(2001)年出生児との比較も行っている。

 調査項目のうち、「母の就業状況の変化」について見ていく。

 平成22年出生児の母が有職の割合は、第14回調査では84.1%だった。出産1年前は61.6%で、出産半年後の第1回調査では35.2%に低下。その後、年々上昇していた。また平成13年出生児における同時期の調査結果は79.3%だったので、4.8ポイント高い。

 有職の母親84.1%の内訳は、常勤が32.7%、パート・アルバイトが44.3%、自営業や家業・内職などその他が7.0%。

 母親が「無職」の割合は、出産半年後は64.3%だったが、その後、減り続け、第4回調査(3歳6カ月)で5割を下回り、第14回調査では15.2%と少数派になっている。

 出産1年前から第14回調査まで継続して常勤で働いている母親の割合は32.4%で、平成13年出生時の24.1%に比べて8.3ポイント高かった。

育児と仕事の両立を支える制度改正の動き

 「育児・介護休業法」と「次世代育成支援対策推進法」が改正され、令和7年4月1日以降、順次施行されている。

 「育児・介護休業法」の改正では、3歳に満たない子どもがいる労働者が請求すれば残業免除を受けることが可能(所定外労働の制限)だったものが、「小学校就学前の子を養育する労働者」に対象が拡大された。

 また3歳に満たない子どもを育てている労働者がテレワークを選択できるよう、事業主に努力義務が求められた。子どもの看護休暇についても見直しがされている。

 次世代育成支援対策推進法については令和7年3月31日までだった法律の有効期限が、令和17年3月31日まで延長。従業員が100人を超える企業には、一般事業主行動計画策定時に、育児休業取得などに関する状況把握や数値目標設定が義務付けられた。

 このような法改正によって、子育て中の労働者がより柔軟で働けるよう、環境が整いつつある。第14回調査でも明らかになったように働く母親が多数派になっている現代においては、誰もが育児と仕事を無理なく両立できる社会づくりが今後も一層、求められる。

第14回「21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)」の概況について(厚生労働省)
[yoshioka]
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