オピニオン/保健指導あれこれ
中学生・高校生 2万人を対象にした思春期アンケート調査

No.4 子どもが死にたいと思うときについて

厚生労働省 子ども・子育て支援推進調査研究事業
永光 信一郎(久留米大学小児科学講座 准教授)研究班

あなたは死にたいと思ったことがありますか?
「過去に試みた」は中学生5.3%、高校生5.6%

中学生「過去に試みた」は5.3%

 この調査では、「いいえ」と答えた中学生は69.6%でしたが、「過去に試みた」と答えた人は5.3%でした。あなたは死にたいと思ったことがありますか?に関して、「ときどき」が5人に1人、「常に思う」が50人に1人という数字です。

 この傾向は、日本だけでなく海外の若者も同じような結果を示していました。若者の自殺は世界各国で問題になっています。15歳から19歳の若者の死因の第1位は自殺です。

 性別や学年による違いを見てみると、女子生徒のほうが「死にたい」という気持ちは強いみたいです。学年別では「過去に試みた」が中学1年生から3年生にかけて少しずつ増えています。

高校生「過去に試みた」は5.6%

 高校生では「過去に試みた」と答えた人は5.6%で中学生と同様でした。また、やはり女子生徒比率のほうが高いこともわかりました。

 中高生の自殺の原因については、学業の悩み、将来の進路の悩み、親子関係の不和、いじめなどあります。高学年になると、うつ病などの精神疾患が原因としてあると言われています。

死にたいと思う気持ちと、友だちの数の関係、日頃の幸福感や孤独感について

 友だちが「ほとんどいない」と答えた人が、中高生とも1%ほどいて、その学生たちはとても強く「死にたい」という気持ちをもっていることがわかりました。

 「幸せと感じていますか?」と、「死にたい」という気持ちの関係では、中学生の69%の子が、高校生の66%の子が、「いつも」、または「しばしば」、幸せと感じています。そして、中学生の1.2%の子が、高校生の3.3%の「まったく幸せでない」と回答した学生の「死にたい」気持ちは、「幸せ」と答えた子たちよりとても高い傾向にあります。

 しかし、「いつも」、「しばしば」、幸せと感じている子の中にも数%、「過去に試みた」や、「常に死にたい」と考えている子がいるから、気をつけないといけません。

 他にも、 「幸せと感じていますか?」「いま、健康だと感じていますか?」やという質問で、「まったくない」や、「たまにしか感じていない」と回答した学生は死にたい気持ちが強い傾向にありました。「いま、ひとりぼっちだと感じることがありますか?」という孤独感についての質問でも、相関性が見られました。  

 「家族が、家の中でよく会話をするか」と死にたい気持ちも強い関係がありました。会話が「まったくない」家庭では、子どもが死にたいと思う気持ちが高いようです。

 自殺予防には「help-seeking 」

 help-seeking が、自殺予防には大切と言われています。help-seekingとは、援助要請や援助希求と言われます。助けを求める行動ということです。

 日頃より家族が家の中で会話する雰囲気や相談先があればhelp-seekingを表すことができます。

 現在、学校の先生や、保健師さん、助産師さん、お医者さん、その他にも多くの方々が、どのようにしたら、子どもの自殺を減らすことができるか考えています。

 「死にたい」という気持ちになったらどうしたらいいか、子どもたちにも教えていくことも必要と思います。

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