オピニオン/保健指導あれこれ
「間食指導」で考える生活習慣改善アセスメント ~行動変容ステージに応じた成功アプローチを伝授します!
No.2 関心期:“減らそうとは思っているよ、でもさぁ! ”
神奈川県立保健福祉大学プライマリー栄養ケア研究室
2013年11月29日
第2回:関心期
“減らそうとは思っているよ、でもさぁ! ” (4)
“減らそうとは思っているよ、でもさぁ! ” (4)
支援のポイント
従来の保健指導では、「健康行動にはメリットがある」ことが大前提でした。しかし、仕事や人間関係の方が優先で「自分の健康は二の次」と考えている人は少なくありません。いきなり、指導者の価値観や常識を押しつけるのではなく、相談者の生活ポリシーを認めた上で、疾病の予防や健康行動について、どのように考えているのかを確認します。次に、本人の持っている情報を整理しながら、よい方向へ傾くように働きかけを行います。
1)対象者の間食の捉え方や現状況を理解する対象者の考え方や言い訳に対し、いきなり生活改善の必要性を説いても、対象者の抵抗や支援者への不信が募るだけです。
⇒まずは、対象者の捉え方や言い訳を否定せずに聞き、現状を理解します。 2)対象者に、生活改善に対する不安や、抵抗の要因に気づいてもらう
⇒一方的に聞き出すのではなく、対象者を主体に経過を振り返りながら現在の状況を整理します。 3)現在の状況が判断できる情報提供を行う
気づきのきっかけになれば…と、指導者が一方的に沢山の情報提供を行うと対象者の反発心が高まります。
⇒データの見方などの科学的事実を伝えたり、残念にも合併症に至った例や成功例を紹介し、今がチャンスであることに気づいてもらいます。
まとめ
特定保健指導では「効果を出すこと」が求められています。しかしこの段階(関心期)では、まず本人の状況を確認し、迷っている段階であることを理解します。「効果」を急ぎ過ぎると、負担感を感じて前に一歩を踏み出すことができません。人の気持ちの変化には、振り返りやきっかけが足がかりになります。経過をたどりながら、本人と共に状況を整理していくことで、抵抗する気持ちの要因に気づいてもらったり、生活改善の必要性を感じ、前向きな気持ちになってもらうことを優先します。その合間に、現在の状況が判断できる情報提供を行うことで、生活改善への動機づけを進めていきます。
次回は、やっとやる気になり、これからがんばろう!という「準備期」の人に対するアプローチを検証していきます。
「「間食指導」で考える生活習慣改善アセスメント ~行動変容ステージに応じた成功アプローチを伝授します!」もくじ
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「栄養/食生活」に関するニュース
- 2025年01月23日
- 1月23日は「一無、二少、三多の日」2月1日より「全国生活習慣病予防月間2025 」がスタート!
- 2025年01月20日
- 大腸がんが50歳未満の若い人でも増加 肥満のある人は大腸がんリスクが高い 予防に役立つ3つの食品とは?
- 2025年01月20日
- 高齢者の要介護化リスクを簡単な3つの体力テストで予測 体力を維持・向上するための保健指導や支援で活用
- 2025年01月20日
- 楽しい食事は骨粗鬆症の予防・改善に効果的 食事の「楽しみ」や「充足感」は大切 タンパク質をとることも
- 2025年01月14日
- 妊娠前の健康的な生活習慣が母子の健康リスクの低下につながる 妊娠前から健康的な習慣を1つでも増やすことが大切 エコチル調査