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くるみで高血圧対策 体に良い脂肪酸・抗酸化物質・カリウムがたっぷり
2011年05月10日
日本でもっとも有病数が多い生活習慣病は高血圧症で、通院して治療を受けている患者数は約800万人。まさに国民病ともいえる高血圧症の、原因のひとつは塩分のとりすぎ。日本食は脂肪が少なくヘルシーな印象があるが、実は塩分は多い。
塩分をとりすぎている日本人
日本人は世界的にみても塩分摂取量が多い。日本人の塩分摂取量は以前に比べて減ってきているが、平均で1日に10グラムを超えている。欧米では多くとっている場合でも1日6グラムから7グラム程度なので、日本人は塩分をかなりとりすぎているといえる。*1
日本人の死因として心疾患や脳卒中が多いのも、塩分摂取量が多いためと考えられている。そこで、政府の「日本人の食事摂取基準」では、減塩の目標を「1日に6グラム未満」と定めている。日本人の食生活では、漬け物、干物、塩辛、みそ汁、ラーメンやそばといった麺類など、塩分の多い食品をとる頻度が高い。みそ、しょうゆ、ソースなどの調味料や加工食品にも塩分は含まれる。
血管に高い圧力のかかった状態が続くのが高血圧。高血圧になると、血管や心臓、腎臓に負担がかかりやすくなる。45歳を過ぎると、動脈硬化も進行しやすくなり、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病の危険性が高まる。
高血圧症や動脈硬化が気になる45歳以上の人に、特にすすめられる食品がある。それが、くるみだ。くるみは世界中で健康的で理想的な食品として注目されている。
くるみは理想的な「自然食品」 体に良い脂肪酸と抗酸化物質がたっぷり
くるみはコレステロールゼロ 低塩分で高血圧予防に良いカリウムがたっぷり
くるみには体に必要な必須脂肪酸が豊富に含まれるが、コレステロール値はゼロ。また、動脈硬化などのリスクを高める悪玉脂肪酸であるトランス脂肪酸も含まれていない。
くるみひとつかみ42グラム(1.5オンス)に含まれる食物繊維は2.8グラム。消化されやすく肉に代わりうるほど良質な蛋白質は6.5グラム含まれている。健康に良いと話題になっている植物系のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸は3.8グラムも含まれる。
ほかにも抗酸化作用のあるくるみポリフェノールやメラトニン、マグネシウム、カルシウム、各種ビタミンなどをバランス良く含む理想的な食品として世界中で注目されている。
塩分(ナトリウム)は、鉄やカルシウムと同じミネラルの仲間。ミネラルは適量をとると体の調子を整えるはたらきがある必須栄養素だ。しかし塩分をとりすぎる食生活を続けていると、高血圧になりやすい。血圧値を上昇させない塩分摂取量は1日に3グラムから5グラムと考えられている。
体内の余分な塩分を排泄する作用があるミネラルがカリウム。高血圧に予防・対策するために、食品でカリウムをしっかりとることが、塩分摂取量を抑えることと同じように重要となる。よりカリウムを多くとれるのは、精製・加工されていない食品だ。
くるみは、代表的な低塩食品であり、カリウムもたっぷり含まれている。くるみ42グラムに含まれるナトリウム量は1ミリグラムと、とても少ない。一方でカリウム量は188ミリグラムと豊富だ。
くるみはそのまま食べてもおいしいが、サラダや料理、お菓子に幅広く利用できる、使い勝手の良い食材。ぜひ毎日の食事にとりいれたい食品だ。
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