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くるみの摂取で脳の力を高められる アルツハイマー病予防の可能性も
2012年02月21日
くるみの摂取によって、脳の力を高められる可能性があるとの研究が、米アンドリューズ大学の研究者らによって行われ、科学誌「British Journal of Nutrition」2011年9月号で発表された。
くるみは、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質をバランスよく豊富に含む、健康的なホールフード(未精製・未加工の食品)として注目されている。特にくるみには、ナッツ類では唯一、オメガ3(n-3系)脂肪酸が豊富に含まれている。
くるみは古くから「ブレインフード(健脳食)」としても知られているが、今回の研究で、くるみが実際に学生の脳の力を高めることが確かめられた。受験生はもちろん、高齢者や仕事で高い集中力を必要とする人たちに向け朗報となりそうだ。
くるみを食べると正誤問題の解答率が高まる

くるみが脳細胞を保護しアルツハイマー病の発症リスクを抑える可能性
くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は、脳情報伝達に関わる脳細胞膜を構成し、その働きを保つために不可欠で大切な栄養素。栄養バランスの良い食事をとり、オメガ3脂肪酸の血中濃度が高い人では、ジャンクフードを食べる人よりも認知能力テストの成績が良いことを示した研究も発表されている。
さらに、米国の科学誌「Neurochemical Research」に発表された研究では、くるみ抽出物にアルツハイマー病患者の脳内アミロイド沈着物の主成分アミロイドベータタンパク質(Aβ)が引き起こす酸化ストレスや細胞死から細胞を保護する作用があると報告された。

- Effects of walnut consumption on cognitive performance in young adults
British Journal of Nutrition, Published online: 19 September 2011, DOI: 10.1017/S0007114511004302
- Protective Effects of Walnut Extract Against Amyloid Beta Peptide-Induced Cell Death and Oxidative Stress in PC12 Cells Neurochemical Research, Volume 36, Number 11, 2096-2103, DOI: 10.1007/s11064-011-0533-zOpen Access
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