ニュース
イチゴやブルーベリーが心臓病を防ぐ 果物と野菜は健康生活の必需品
2013年01月16日

イチゴやブルーベリーなどを2日に1回食べるだけで、心臓病のリスクを最大で3分の1減らすことができる――果物に含まれるポリフェノールが、心臓病の予防に効果的に働くという研究が発表された。
果物や野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維に含めて、ポリフェノールが含まれる。ポリフェノールは果物や野菜の色素成分で、活性酸素の生成を抑制する抗酸化作用があるとされる。イチゴとブルーベリーには、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれる。 活性酸素が体内で過剰に増えると、細胞や血管の内壁が傷つけられ、動脈硬化の原因となる。血管壁が傷つくと、そこを修復するために白血球などの血球成分が集まりプラークとなり、動脈の壁を厚くする。アントシアニンは、プラークが蓄積するのを防ぐと考えられている。 アントシアニンは、イチゴとブルーベリーの他に、紫キャベツやナス、ブドウなど紫色の成分の多い果物や野菜に含まれる。 研究チームは、25歳から42歳の米国人女性9万3,600人を対象に18年間、4年ごとに食事に関する聞き取り調査を実施した。期間中に405件の心臓病が報告された。 アントシアニンを含む果物や野菜を食べることを習慣としている女性では、そうでない女性に比べ、心臓病を発症する頻度が20年間に32%も低下するという結果になった。 心臓病の危険因子となるのは、高血圧、肥満、運動不足、喫煙習慣、アルコールの過剰摂取などだ。これらの影響を取り除いても、アントシアニンを多く含む果物や野菜をよく食べる女性では、心臓病の発症が減ることが確かめられた。 ブルーベリーをよく食べる人では、高血圧の発症が減り、心臓病のリスクが低下するという研究は過去にも発表されている。最近発表された研究では、認知症のリスクを下げることも示された。 「アントシアニンをよくとっている女性は、食事スタイル全体が健康的である傾向がみられます。そうした健康的な食事を若い頃から続けていれば、高齢になってからも心臓病のリスクを下げることを期待できます」と、デンバー国立医療研究センターのアンドリュー フリーマン博士(心臓病)は話す。 米国では、「1日に5~9サービング以上の野菜と果物を食べましょう」をスローガンとした、「ファイブ・ア・ディ(5 A DAY)」という健康増進運動が展開されている。1日に野菜を350g、果物を200gを食べることで、生活習慣病の発症リスクを抑えられると考えられている。「今回の研究は、ファイブ・ア・ディ運動の正当性を裏付ける結果になりました」と、研究者は指摘している。 Strawberries, blueberries may cut heart attack risk in women(米国心臓学会 2013年1月14日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「栄養」に関するニュース
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- 2025年02月03日
- 良い睡眠は肥満や高血圧のリスクを減らす 日本人の睡眠は足りていない 3つの方法で改善
- 2025年01月23日
- 大腸がんが50歳未満の若い人でも増加 肥満のある人は大腸がんリスクが高い 予防に役立つ3つの食品とは?
- 2025年01月23日
- 高齢者の要介護化リスクを簡単な3つの体力テストで予測 体力を維持・向上するための保健指導や支援で活用