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地域の自殺対策への取組が効果 2012年の自殺者は3万人を下回る
2013年01月23日
2012年の自殺者は3万人を下回る
警察庁は2012年の自殺者数をまとめ発表した。2012年の年間の自殺者数は2万7,766人で、前年に比べ2,885人(約9.4%)減少した。3万人を下回ったのは15年ぶりのこと。
都道府県別にみると、東京が最も多く2,760人、次いで大阪 1,720人、神奈川 1,620人、埼玉 1,549人、愛知 1,454人。一方、最も少なかったのは、鳥取で130人、次いで徳島 164人、島根 168人、香川 176人、福井 181人だった。
前年との増減率をみると、増加率では、奈良が前年比10.5%増と最も高く、徳島 9.3%増、福井 5.8%増と続いた。減少率は、沖縄が前年比31.0%減、次いで香川 29.0%減、和歌山 24.5%減だった。
平成24年 警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等(内閣府)
地域における自殺対策は整備されている
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 自殺予防総合対策センターが実施した「都道府県・政令指定都市における自殺対策の取組状況に関する調査」によると、横断的な自殺対策推進体制を設置している自治体は54個所(80.6%)で、地域における自殺対策を推進するための組織づくりが進んでいることが分かった。
一方、地域自殺予防センターを設置しているのは31個所(46.3%)で、うち29個所が精神保健福祉センターを設置していた。地域自殺予防センターを設置しない理由として、現行の組織・体制で対応可能であることや、予算・人員の確保が難しいとの回答があった。また、民間団体の取組状況をみると、自殺対策そのものを目的とした民間団体が利用できる補助制度のある自治体は50個所(74.6%)だった。
報告書は、本調査のまとめとして、都道府県および政令指定都市における自殺対策推進体制はほぼ整備されてきた一方、市区町村レベルでの自殺対策担当部局の設置は今後の積極的なはたらきかけが必要としている。
また、地域の民間団体への財政的支援を含む自治体の自殺対策事業は、地域自殺対策緊急強化基金に拠る部分が大きく、今後の継続的な自殺対策推進のためには、自治体の企画力強化と、これらの事業の評価を踏まえた事業の継続・発展のための財源の確保が課題であるとまとめている。
都道府県・政令指定都市における自殺対策の取組状況に関する調査(自殺予防総合対策センター)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 自殺予防総合対策センター
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