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リゾートでゆったり休養 健康増進の効果がはっきり
2013年01月31日

休暇をとり旅行に出ることで、高血圧や睡眠の改善、減量といった効果を得られるという研究が発表された。「働きづめが続くのはよくありません。健康のためには休養をしっかりとることが大切です」と、研究者はアドバイスしている。
モルディブ諸島のようなエキゾチックな観光地を訪れ、休養をしっかりとることで、血圧が降下し、睡眠が改善し、ストレスを解消し元気を取り戻すことができる。しかも休養の便益は2週間から数ヵ月続く――こんな研究が英国で発表された。 調査は、英国の非営利の保健事業団体「ナフィールド ヘルス」が行ったもの。研究に参加した12人のボランティアに2012年夏に、健康診査を受けてもらった。 睡眠パターンとストレスの回復をみるために、心臓モニターを72時間装着してもらった。食事や生活習慣についての健康教室にも参加してもらった。 うち6人は休暇をとり、タイ、ペルー、モルディブ諸島を旅行した。残りの6人は本国に残り、休暇をとらず働き続けた。 2週間が経過した後に、ストレスに関する心理のテストを受けてもらい、健康診査を再度受けてもらい、心臓モニターを72時間装着してもらった。 その結果、休暇をとった群では平均して血圧が6%低下したのに対し、休暇をとらなかった群では2%上昇した。心電図モニターや脈拍数によりストレスの回復度を算定したところ、休暇をとった群では29%上昇したが、休暇をとらなかった群では71%低下した。 休養をとることで得られる健康増進の効果は、休暇が終わってから2週間以上続くことも確かめられた。 「休養をとることで、高血圧や睡眠が改善し、ストレスレベルが低下することが確かめられました。しかもこの効果は、休暇が終わってからも続いたのです」と、ナフィールド医療センターのルーシー ゴンドリー博士は言う。 「休養は疲労やストレスと関連が深いのです。しっかり休むことで、仕事や活動によって生じた心身の疲労を回復し、もとの活力ある状態にもどすという面があります。休養を達成するためには、まず時間を確保することが必要で、特に、長い休暇を積極的にとることが目標となります」と、健診を担当したクリスティーン ウェーバー氏(精神療法)は言う。 保健医療の専門家は、労働者は取得した休暇をフルに活用し、休養にあてるべきだと主張している。実際には、英国では3分の1が十分な休暇をとっていないという。 Medical benefits of holidays revealed for first time(Nuffield Health 2013年1月29日)
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