ニュース
リストの最初の単語を覚えられなくなったら要用心
2013年03月14日

15の単語からつくられたリストの最初の4つを記憶するのが難しくなると、認知症の初期徴候である可能性があるという研究が発表された。
「いくつかの単語を言いますから、順番は気にせずに覚えてください」という問いをしたときに、多くの人は最初と最後に提示した単語を覚えていて、真ん中あたりに提示された単語はあまり覚えていない。 このように、最初に提示された単語の再現率が高いことを「初頭効果(primacy effect)」、最後に提示された単語の再現率が高いことを「新近効果(recency effect)」という。 「リストのはじめの単語を覚えれなくなることは、認知能力の低下の兆しです」と、ニューヨーク州にあるネイサン・クライン精神医学研究所のヌンツィオ ポマーラ博士は指摘する。 研究は、開始時に認知症の徴候が認められなかった60~91歳の高齢者200人を対象に4年間行われた。 研究チームは、参加者に15の単語でつくられたリストを5回読み上げて、20分後に覚えている単語をなるべく多く言ってもらう記憶テストを行った。同時に認知機能を評価するテストも行った。 4年間に認知テストの得点が低下していった高齢者は70人程度だった。記憶テストの点数が低く単語を覚えられない高齢者ほど、その後の認知テストの得点は低下する傾向がみられた。 興味深いことに、リストのはじめの単語を覚えている初頭効果が低下した高齢者ほど、認知テストの成績は低下していた。15の単語からつくられたリストの最初の4つを記憶するのが難しくなると、認知テストの得点は大きく低下していった。 「海馬状隆起は記憶や学習を司る脳の重要な領域です。海馬状隆起にダメージが生じると、初頭効果の能力が低下しやすいと考えられます。今回の研究は、簡単なテストで認知障害を予想する可能性を示したものです」(ポマーラ博士)。 認知症の前の段階といえる「軽度認知障害」を見極めることができれば、早く治療を始められ、認知症への進行を遅らせることができるという。 Decreased Recall of Primacy Words Predicts Cognitive Decline(Archives of Clinical Neuropsychology 2013年1月7日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「メンタルヘルス」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下
- 2025年02月10日
- タバコを1本吸うごとに寿命は20分短縮 若い世代はタバコ規制を歓迎 「タバコ広告も禁止すべき」
- 2025年02月04日
- ラジオ体操などにより要介護や認知症のリスクが低下 高齢化社会の健康施策に体操を活用
- 2025年02月03日
- 良い睡眠は肥満や高血圧のリスクを減らす 日本人の睡眠は足りていない 3つの方法で改善