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ストレスを自覚している人は心臓病リスクが高い 早めに対策
2013年10月17日
ストレスが健康に悪影響を及ぼすことはさまざまな研究で指摘されているが、「ストレスが健康に悪い」と感じること自体は、体の状態を知るための有力な手かがりになる。「ストレスを感じたときは、何が原因であるかを見極め、対処法を見つけることが大切です」と研究者は指摘している。
フランス国立衛生医学研究所(INSERM)のヘルマン ナビ氏らフランス、英国、フィンランドの共同研究チームは、英国の公務員7,000人以上を調査し、ストレスが健康に悪いと感じている人では、心筋梗塞や心臓病の発症リスクが高くなるとの結果を導き出した。この研究は医学誌「European Heart Journal」に発表された。 「もしもストレスが自分の健康に悪影響を及ぼしていると感じているのなら、おそらくそれは正しいのです。そう感じている人は、実際に体に異常が起こる可能性が高いことが確かめられました」とナビ氏は述べている。
ストレスを自覚する人は心臓病のリスクが上昇
研究チームは1991年に英国の公務員7,268人(平均年齢49.5歳)に、「生活の中で経験するストレスやプレッシャーが、自分の健康にどの程度影響していると感じるか」と質問。回答によって、「全くない、少ない」、「中くらい」、「大きい、極めて大きい」に分類した。
2009年まで18年以上追跡して調査した。期間中に心臓病を発症した人は352人だった。年齢や性別、喫煙歴、アルコール、収入などの影響を取り除いて検討した結果、ストレスの影響が「大きい」「極めて大きい」と感じているグループの心臓病リスクは、「全くない」と感じているグループの2.12倍に上昇していた。
食事や運動などの生活スタイルなどの影響を取り除くとリスクは下がったが、それでもストレスを強く感じている人は、全く感じていない人に比べ、心臓病を発症するリスクは49%高かった。
「今回の研究の重要なメッセージは、強いストレスを感じている人は、影響が体にあらわれる可能性が高いということです。ストレスを自覚しているのなら、それに対処する方法をみつけることが重要です」と、ナビ氏は説明している。
生活スタイルを改善してストレスに対策
今回の研究について、ニューヨーク大学ランゴン医療センターのサマンサ ヘラー氏は、「ストレスについて考えるとき、社会心理的な面が強調される傾向がありますが、ストレスが生理的反応である点にも注意が必要です。ストレスが長引くと、体にも悪い影響があらわれやすいのです」と述べている。
職場や生活環境に原因がある場合は、心療内科や認知行動学の知識をもつ専門家にアドバイスをもらう方法が有効だが、生活スタイルを改善してコントロールすることで、ストレスにある程度は対処できるという。
生活スタイルを健康的に変えていくことで、ストレスの害からな身を守ることができる。ヘラー氏は次の健康習慣を勧めている。
・家族や友人たちと話す1人で悩んでいると視野が狭まってしまいます。相談できる相手をもつことで、問題を多角的に見え、解決の糸口を探しやすくなります。 ・運動の習慣化する
適度な運動を続けることで身体的なストレスを減らせることが、多くの研究で確かめられています。運動をしている人では、うつ病の発症も減少します。 ・十分な睡眠をとる
毎日6~8時間の睡眠は必要です。運動には睡眠の質を高める効果もあります。眠れない場合は医師に相談しましょう。 ・アルコールやたばこを控える
アルコールやカフェインの飲み過ぎ、たばこはストレスを増します。もしあなたが喫煙習慣をもっているのなら、いますぐ禁煙を決意するべきです。 ・優先順位を決める
するべきことを書き出した「ToDoリスト」を作成するときは、優先順位を決めておき、全てを完璧にこなすことにこだわらないようにしましょう。「より良い仕事ができれば、それで良しとする」といった余裕も大切です。 ・ときには笑ってみる
笑いにはストレスを軽減する効果があります。1人でいるときも、笑いを誘うテレビやビデオ、映画などを鑑賞しましょう。 Stress: it should never be ignored!(2013年6月27日 フランス国立衛生医学研究所)
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