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内臓脂肪を見える化 「内臓脂肪に着目した健康支援サービス」を開始 花王
2014年04月09日
花王は、「内臓脂肪に着目した健康支援サービス」事業を4月より開始した。同社が大阪大学、パナソニックと共同研究・開発した「内臓脂肪計」を用い、独自のライフスタイル提案プログラム「内臓脂肪ラボ『ナイボ』」を新たに開発。企業の職場などにおける健康増進施策の一環として提供する。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)への関心の高まりに合わせて、内臓脂肪が健康指標として注目されている。2008年に開始された特定健診・保健指導では内臓脂肪の間接的指標として腹囲の測定が導入されており、社会的な関心も高まっている。 一方、内臓脂肪蓄積は直接把握することが難しいため、内臓脂肪の蓄積と生活習慣の関係に関する知見はこれまで少なかった。一般的な保健指導は体重維持・減量のための生活改善にとどまっているのが現状だ。
内臓脂肪の蓄積を「見える化」し効果的に健康支援
花王の健康支援サービスでは、企業の従業員などを対象に、内臓脂肪の蓄積度と、運動や食事などの生活習慣の関係を分析する。これによって内臓脂肪が蓄積される要因を見える化し、一人ひとりに合った内臓脂肪がたまりにくいライフスタイルを提案できるようになる。
この見える化サービスでは、企業の職場を訪問し、内臓脂肪蓄積度と生活習慣の把握と解析を行う。内臓脂肪蓄積度の把握には、大阪大学とパナソニック、花王が共同開発し、医療機器承認を取得した「内臓脂肪計」を使う。生活習慣については、「食事の量や質」、「時間」、「日常身体活動」、「運動」という5つのカテゴリーに関する質問に答えてもらうことで把握する。
その上で統計的な解析によって「内臓脂肪をどのくらいためやすい生活をしているか」などを算出する。内臓脂肪蓄積度から「お腹の断面イメージ」を作成。生活習慣の解析結果とともに印刷してその場で渡し、健康的なライフスタイルへ向かう動機づけを行う。
内臓脂肪に着目したライフスタイル提案プログラム
さらに、花王は独自のライフスタイル提案プログラム「内臓脂肪ラボ『ナイボ』」を開発した。これは見える化サービスで得られたデータについて、測定結果に関する詳細な説明やライフスタイル改善のアドバイスをウェブサイト上で提供するものだ。
このプログラムでは、上記5つのカテゴリーの生活習慣の中で、何がどれだけ内臓脂肪蓄積の要因となりうるかを統計的手法で解析し、これを「生活ナイボ値」で示す。生活ナイボ値が大きいほど内臓脂肪をためやすい生活習慣であることを示し、利用者は生活ナイボ値を減らすことを目標に、ライフスタイルの改善に取り組める。生活習慣と内臓脂肪蓄積の関係を学べるため、納得しながらライフスタイル改善に取り組めるようになるという。
なお、「内臓脂肪ラボ『ナイボ』」は、健保組合などに予防医学プログラムを提供している花王グループのヘルスケア・コミッティーの監修を受けて開発した。産業医、保健師等と連携し、企業の職場などにおける健康増進施策の一環として提供する。また、5月21日から24日にかけて岡山で開催される第87回日本産業衛生学会で、同サービスの展示が行われる。
内臓脂肪ラボ「ナイボ」花王
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