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健保組合の1162億円の赤字に 3分の2の組合が赤字

 大企業の会社員らが入る健康保険組合の財政が悪化している。健康保険組合連合会(健保連)が11日発表した2013年度の決算は、全体の3分の2が赤字となった。
健康保険組合の保険料、1人当たり額は2007年度比で7万7,968円増
 健康保険組合連合会は、健康保険組合の2013年度決算見込みが、1419組合の合計で1,162億円の赤字だったと発表した。

 赤字組合は927組合で前年度から134組合減ったものの、依然として全体の約3分の2に当たる65.3%が赤字。組合の赤字総額は前年度比1,243億円減の2,793億円となった。

 保険料収入総額は前年度比3,448億円(5.01%)増の7兆2,227億円。組合全体の収入は保険料率の引き上げや賃金の上昇などで保険料収入が増えている。被保険者1人当たり額は同2万1,920円(4.99%)増の46万1,580円で、2007年度と比べると7万7,968円増えた。

 平均保険料率(2月末)は前年度比0.331ポイント増の8.674%(調整保険料率含む)。保険料率を引き上げた組合は565組合(構成比39.8%)で、平均引き上げ料率は0.863%だった。

 これに対して、後期高齢者医療への支援金など高齢者の医療費を賄うための負担金が1,411億円(4.50%)増の3兆2,739億円と過去最大になり、支出はおよそ2%増えて7兆4,575億円だった。

 その結果、全体では1,162億円の赤字の見込みとなり、およそ3分の2に当たる927の組合が赤字となった。

 収入増の大半は4割の健保組合が保険料率を引き上げたことにより、年々増加する高齢者医療への支援金・納付金負担が赤字の最大の要因である状況は今後も続く。

 2015年度には団塊世代全員が前期高齢者へ移行するなど高齢者医療費はさらに増え、現役世代人口の減少と相まって、支援金・納付金負担は今後よりいっそう重くなる。

 これについて健保連は、「医療費も医療の高度化により年々増加すると見込まれ、保険料率の引き上げ等による対応はすでに限界に達している。高齢者医療の負担の在り方をめぐる改革が最優先課題であり、政府に対し現役世代の負担軽減策を求めていきたい」としている。

健康保険組合連合会

[Terahata]
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