ニュース
世界糖尿病デー 世界の糖尿病人口は3億8,670万人に増加
2014年11月20日
国際糖尿病連合(IDF)は、11月14日の世界糖尿病デーに合わせて、世界の糖尿病に関する最新の調査をまとめた「糖尿病アトラス 第6版 2014 UPDATE」を発表した。
世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けており、2014年現在で糖尿病有病者数は3億8,670万人(有病率 8.3%)に上る。有効な対策を施さないと、2035年までに5億9,190万に増加すると予測している。
世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けており、2014年現在で糖尿病有病者数は3億8,670万人(有病率 8.3%)に上る。有効な対策を施さないと、2035年までに5億9,190万に増加すると予測している。


日本は世界ランキングの10位
国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、2014年現在の世界の糖尿病有病数は3億8,670万人に上る。20~79歳の成人の有病率は8.3%で、12人に1人が糖尿病有病者と推定されている。
「糖尿病アトラス」では、世界を7地域に区分し統計値を出している。日本が含まれる西太平洋地域は、世界でもっとも糖尿病人口の多い地域だ。糖尿病有病数は1億3,780万人(成人人口の8.5%)で、全世界の36%がこの地域に集中しており、2035年までに2億180万人に増加すると予測されている。中国とインドネシア、日本の3国が世界ランキングの上位10位に名を連ねている。
西太平洋地域は糖尿病人口が多いにも関わらず、費やされている糖尿病の医療費は全世界の16%に相当する約12兆円(1,010億ドル)だ。
世界ランキングでは第1位中国(9,629万人)、第2位インド(6,685万人)、第3位米国(2,578万人)となり、上位3ヵ国の順位は昨年と同じだ。日本の現在の成人糖尿病人口は721万人で、昨年の720万人から微増し、ランキングでは昨年と同じ10位となった。


世界の2人に1人が糖尿病の診断を受けていない


- ◆糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病)とともに生きる患者に質の高い医療サービスを提供すると同時に、2型糖尿病の予防を促すための対策を優先して推し進める政策が世界規模で求められている。
- ◆糖尿病の医療コストは全世界で71兆円(6,120億ドル)に上り、医療コスト全体の9分の1を占める。
- ◆糖尿病患者1人当たりの平均年間医療費が多い国の順位は、(1)ノルウェー(1万1,144ドル)、(2)米国(約1万902ドル),(3)スイス(1万592ドル)、(4)ルクセンブルグ(9,424ドル)、(5)オーストラリア(7,931ドル)と続く。日本は17位の4,908ドル。
- ◆糖尿病が原因となり死亡する人の数は490万人。7秒に1人が世界のどこかで糖尿病のために亡くなっている。
- ◆糖尿病に対する「豊かな先進国に多い病気」というイメージは誤りだ。糖尿病有病者の77%は低・中所得の国に集中している。
- ◆毎年、7万9,100人の15歳以下の小児や若者が1型糖尿病を発症している。1型糖尿病の発症数は1年でおよそ3%増加しているが、原因は分かっていない。
- ◆2型糖尿病は40~59歳の働き盛りの世代で爆発的に増加している。
糖尿病はコントロールできる病気
「世界糖尿病デーには、糖尿病はコントロールできる病気であり、合併症を予防できることを世界規模で呼びかけています」とIDF理事長のマイケル ハースト氏は述べている。
世界保健機関(WHO)は、不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒などが原因として共通しており、生活習慣の改善により予防可能な疾患をまとめて「非感染性疾患(NCD)」と位置付けている。心血管疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患などが主なNCDだ。
2013年にジュネーブで開催された第66回WHO総会では、NCDの予防と管理のための新たな行動計画(2013~2020年)が、満場一致で採択された。具体的な目標として、「NCDによる早期の死亡の減少」、「運動不足の解消」、「有害な喫煙や飲酒の抑制」、「必要な医薬品を入手できるように社会整備を進める」などがあげられている。
世界糖尿病デーのキャンペーンは毎年11月14日に、国際糖尿病連合(IDF)と加盟組織が主導し、170ヵ国以上の230以上の関連団体により執り行われている。糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、1991年に国際糖尿病連合と世界保健機関(WHO)により制定された。世界糖尿病デーは2007年に国連決議で採択され、正式な国連デーとなった。
IDF Diabetes Atlas
世界糖尿病デー 関連記事(糖尿病ネットワークから)
インスリン治療を続けて50年 「リリー インスリン50年賞」受賞者発表
世界糖尿病デー 健康的な朝食が糖尿病リスクを減らす
糖尿病レシピ全国コンテストの受賞者を発表 日本糖尿病協会
世界糖尿病デーは11月14日 ブルーサークルで世界につながろう
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2022 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「特定保健指導」に関するニュース
- 2021年12月21日
- 特定健診・保健指導の効果を10年間のNDBで検証 体重や血糖値が減少し一定の効果 ただし体重減少は5年後には減弱
- 2021年12月21日
- 【子宮頸がん】ワクチン接種を受けられなかった女性へのキャッチアップが必要 子宮頸がん検診で異常率が上昇
- 2021年12月21日
- 肥満や糖尿病の人ではFGF21の抗肥満作用が低下 朝食抜き・毎日飲酒・喫煙といった生活スタイルが影響
- 2021年12月21日
- 【申込開始】今注目のナッジ理論、感染症に関する教材が新登場!遠隔指導ツールも新作追加! 保健指導・健康事業用「教材・備品カタログ2022年版」
- 2021年12月20日
- 牛乳を毎日コップ1杯飲んでいる女性は脳卒中のリスクが低下 牛乳に血圧を下げる効果が?
- 2021年12月20日
- 「住環境」は健康増進にも影響 「断熱と暖房」が血圧や住宅内での活動量に寄与 足元が暖かいことも大切
- 2021年12月13日
- 早食いは肥満や体重増加につながる ゆっくり味わってよく噛んで食べるとエネルギー消費量を増やせる
- 2021年12月13日
- 【新型コロナ】子供の心の実態調査 食事を食べられなくなる「神経性やせ症」の子供がコロナ禍で増加
- 2021年12月13日
- 【新型コロナ】ファイザーのワクチンの3回目接種はオミクロン株にも効く? 抗体価は半分に減るものの2回接種より25倍に増加
- 2021年12月13日
- 【新型コロナ】日本人はなぜ感染・死者数が少ない? 風邪でつくられた免疫が新型コロナにも有効に働いている可能性 理研
最新ニュース
- 2022年06月30日
- コロナ下での食育の取り組みなどを解説 食育推進のため啓発リーフレット作成 令和3年度「食育白書」を公表
- 2022年06月30日
- 令和3年の労働災害発生状況は死亡・死傷者共に増加 中期計画での目標達成は困難に
- 2022年06月27日
- ペットは健康に有用? ペットの飼い主の95%が「ストレス解消に役立つ」 脳の健康にも良い影響
- 2022年06月27日
- 東日本大震災後の高齢者のフレイルを調査 習慣的に運動をすることが低栄養リスクを下げる
- 2022年06月27日
- 日本人高齢者の認知機能は向上している 認知機能障害が減少 国立長寿医療研究センター
~保健指導・健康事業用 教材~
-
アイテム数は3,000以上! 保健指導マーケットは、健診・保健指導に役立つ教材・備品などを取り揃えたオンラインストアです。 保健指導マーケットへ