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アルツハイマー病を発症前に血液検査で判定 国立長寿医療研究センター
2014年11月21日
アルツハイマー病の症状が出る前に、少量の血液を検査し前兆を捉える方法を開発したと、国立長寿医療研究センターと島津製作所の研究チームが発表した。早期診断や治療薬の開発に役立てたいとしている。
アルツハイマー病は発症前から脳内に「アミロイドベータ」というタンパク質が異常に蓄積していくことが分かっている。 アミロイドベータは、認知障害などの症状が出る15~20年前から脳内で蓄積がはじまるとされる。早期発見と予防法の確立が課題となっている。 研究チームは、65~85歳の男女62人の脳の状態を「陽電子放射断層撮影装置」(PET)で観察し、アミロイドベータの蓄積状況を確認した。 さらに、島津製作所が開発した質量分析装置を使い、従来は検出できなかったアミロイドベータに関連する微量のタンパク質を高感度で検出するのに成功した。 このタンパク質と、別のアミロイドベータ関連タンパク質との比率から、アミロイドベータが蓄積しているかどうかを高精度で判定することができたという。 アミロイドベータは、「脳脊髄液検査」やPETを用いた検査で検出できるが、侵襲性が高く患者に負担がかかったり、大型の設備が必要で費用も高額なるなど課題が多い。 研究チームは「約0.5mLの血液を採取すれば、アミロイドの蓄積を9割以上の精度で判定できるようになる。費用や安全性、正確性でこれまでの技術を大幅に超えるものができた。発症の予防や治療薬の開発に役立てたい」と述べている。 研究成果は日本学士院発行の英文学術誌「Proceedings of Japan Academy, Series B」のオンライン版に発表された。 国立長寿医療研究センター
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