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糖尿病の女性を支援 糖尿病と女性のライフサポートネットワーク
2014年12月02日
糖尿病とともにある女性のより良い生活を支援する研究を行っている「糖尿病と女性のライフサポート研究会」(代表:田中佳代・久留米大学医学部看護学科母性看護学准教授)は、ホームページ「糖尿病と女性のライフサポートネットワーク」の公開を開始した。

糖尿病をもつ女性の体や心の悩みを支援
「糖尿病と女性のライフサポート研究会」は2014年10月に設立された。同研究会は、ライフサイクル(生涯)を通じて、糖尿病とともににある女性と家族の、健康や生活がより快適となるためのサポートの実践と、より良いサポートの開発を目指している。
活動の一環として開催している「糖尿病を持つ女性と看護職者のためのセミナー」は、第1回が2009年1月に福岡市で開催され、第9回が2014年11月に久留米市で開催された。糖尿病の女性の性に関する疑問や、妊娠・出産に関する悩みについて、看護職の女性がともに語り合いながら支援のあり方について考える内容になっている。
「糖尿病とともに生きる生活」を女性の視点から向上させる活動を展開している同研究会は、「糖尿病とともにある女性」を、糖尿病をもつ女性だけでなく、糖尿病をもつ男性のパートナーである女性や母親などの支援者などを含め捉えている。
糖尿病は、若い人から老年者まで幅広く発症する病気であり、女性の一生にわたりさまざまな影響を及ぼす疾患だ。
糖尿病をもつ女性は、女性ホルモンや妊娠に関連したホルモンが血糖値に影響を及ぼすため、月経周期や妊娠・出産の状況に応じて血糖をコントロールすることが必要になる。性ホルモンの分泌が盛んとなる思春期から、妊娠・出産期、更年期まで、女性特有のさまざまな視点から医療支援が必要となる。
現在、糖尿病と妊娠に関わる医療・研究は進歩し、糖尿病があっても血糖コントロールを良好に保つことで、妊娠・出産が可能になっている。
しかし、女性にはその人生において結婚や妊娠の選択、子育てや家事などの役割があり、その中で糖尿病がもたらす悩みや不安を抱く患者は少なくない。糖尿病をもつ女性ならではの体や心についての悩みを支援する体制も十分には整備されていない。
同研究会は、糖尿病とともにある女性と家族などの支援者、それに関わる医療従事者、研究・教育関係者の双方向性のある支援ネットワークシステムの構築を目指している。「糖尿病とともにある女性がどこで生活していても、安心してサポートが受けられる支援体制を全国に広げていくことが目標です」と述べている。
糖尿病と女性のライフサポートネットワーク(糖尿病と女性のライフサポート研究会)
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