ニュース
健康食品や化粧品による健康被害 業者は「好転反応」と説明
2014年12月14日
健康食品や化粧品などを利用して、発疹などの皮膚障害や、下痢などの消化器障害などの健康被害が出たにもかかわらず、業者から利用を続けるよう勧められて症状が悪化するケースが相次いでいるとして、消費者庁が注意を呼びかけている。
健康被害が出たら利用をやめ医師に相談
消費者庁にると、健康食品や化粧品などを利用して健康被害が出た人に対し、業者が利用を続けるよう勧めるケースが多くあるという。
消費者庁が国民生活センターと連携し、健康被害とその対処に関するデータを収集している「事故情報データバンク」には、今年10月までの5年半の間に339件の相談が寄せられ、消費者が利用を続けて症状が続いたり悪化したケースは100件に上った。
業者が「症状が発生するのは、好転反応(回復に向かう過程の一時的現象)なので、我慢してください。乗り越えれば良くなります」、「今は毒素が抜けているところなので、そのまま飲み続けるように」などと説明して、症状発生後も継続利用を勧めているケースがあったという。
消費者庁では、こうした業者の説明は、利用を続けさせるためのセールストークであることが多いので、うのみにしないことや、新しい健康食品や化粧品を使い始めて健康被害が出たときはただちに利用をやめ、医師に相談するよう注意を呼びかけている。
下記は消費者庁が公表している消費者事故の事例を抜粋したもの――
【事例1】化粧品を購入し、使用していたら、ニキビが出たり、痒みや痛みも出てきた。販売員に症状を訴えたが、「大丈夫、良い化粧品だからニキビが出る。今はデトックス効果で悪いものがでている」等言われ、信用して使い続けた。しかし症状が改善されず、医師の診察を受けたら、化粧品負けが原因と言われ、薬を処方された。(20歳代女性) 【事例2】
CMでアトピーでも使用できる、アレルギー学会でも承認されているという内容を見て化粧品を使用したところ、肌がボロボロ剥がれてきたので、業者に相談したところ、好転反応と言われたためそのまま使用を継続した。何か月経っても症状が治まらず毛穴が開いた状態になった。さすがにおかしいと思い、皮膚科を受診したところ、かぶれによる発疹と言われた。(50歳代女性) 【事例3】
電話で勧誘があった化粧品店に行き、高価な化粧品を買ったが、しばらく使うと発疹が出た。店舗に電話すると「最初は悪いものが出ているので、そういうこともある」と言われた。その言葉を信用して更に使い続けたところ発疹が悪化した。使用をやめると1週間でだいぶ治まってきた。(50歳代女性) 【事例4】
ネットワークビジネスを通じて購入したダイエットのための健康食品を飲んだら、おう吐とめまいを感じたので、購入した会員に相談すると「3~4ヵ月間飲み続けると結果が出る。好転反応だ」と言われた。その後も飲み続けたら、むくみ始め寝込んでしまった。(50歳代女性) 【事例5】
知人に勧められた健康食品を飲んでいたが、身体に湿疹ができた。知人に伝えると「身体から悪いものが出ているので、そのまま飲み続けるように」と指示された。しかし治るどころか湿疹は顔まで広がり全身に及んだ。病院で診察を受けたところ、原因は健康食品によるアレルギーと言われ、飲むのを止めたら治まってきた。(50歳代女性) 消費者庁
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「地域保健」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮