ニュース

年末年始の「体重増」「だるい」は危険なサイン 4つの対策で肝臓を回復

 年末年始に飲食の機会が増えて、いつも以上に食べ過ぎてしまったという人が多いのではないだろうか? 「体重が約3kgも増えた」「身体が重く感じられ、なんとなくだるい」と感じている人は、アルコールを飲む習慣がなくても、肝臓がダメージを受けているおそれがある。
「なんとなくだるい」という人は要注意 肝臓障害のサイン
 肝臓は、食べ物から吸収された栄養を代謝したり、蓄える働きをしている臓器だ。食事で摂取したブドウ糖や脂質を代謝し、エネルギー源として使われないものは脂肪として蓄えられる。

 肝臓に脂肪がたまりすぎると「脂肪肝」になりやすい。脂肪肝は肥満の人に多いのが特徴だが、痩せている人でもなる危険性がある。

 自分が脂肪肝を発症しているかを知るために、健康診断を積極的に受けることが勧められる。血液検査で肝臓の状態に異常があると、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)などの画像検査が行われる。画像検査では、脂肪肝の場合は脂肪がたまっているため白っぽく写り、その程度などが分かる。

 自覚症状から脂肪肝を知る方法もある。体重が増えて「なんとなくだるい」というのは、脂肪肝のサインである可能性がある。放置していると、肝臓の細胞に炎症が起き、肝臓の細胞が死んでいく「肝炎」に進展するおそれがある。早めに健診を受けることが勧められる。

 最初は炎症を起こしても再生機能により肝臓の機能は保たれるが、ある期間を超えると肝臓は硬くなる。それが肝硬変。肝硬変まで進行すると回復は難しくなる。

 アルコールを飲まない人でも、それらを原因とする脂肪肝や肝炎を発症するケースが増えている。大量飲酒が原因ではない肝炎は「NASH(非アルコール性脂肪肝炎)」と呼ばれる。

 NASHには初期の段階では自覚症状はほとんどないが、「なんとなく体がだるい」「疲れやすい」「吐き気がする」「腹が張る」などの症状が現れる場合がある。こうした予兆を見逃さないことが大切だ。

体重を3kg減らすだけで肝臓を改善する効果がある
 脂肪肝やNASHの進行の大きな要因となるのは「内臓脂肪型肥満」だ。腹部の内臓の周りにつく内臓脂肪は、動脈硬化に影響するさまざまな物質を分泌している。

 米国肝臓財団によると、NASHが進行するほど、メタボシックシンドロームの要素を多くもつ傾向がある。非アルコール性の脂肪肝やNASHのある人がどの程度の肥満や「糖尿病」「脂質異常」「高血圧」を併せもっているかを調べたところ、NASHが進行するにつれて複数を合併している人が増えることが判明した。

 NASHの治療は「バランスのよい食事をとること」「適度な運動」など生活習慣の改善が基本となる。

 生活習慣の改善によるダイエットが効果的だ。食生活の改善と運動で、1ヵ月に2~3kgのペースでの減量が目標となる。

 体重の3kgの減少は、たとえば身長170cmの人では、BMI[体格指数=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)]を「23」から「22」に押し下げる効果がある。

1日30分のウォーキングで肝臓を健康な状態に戻す
 米国肝臓財団によると、年末年始のホリデーシーズンに増えてしまった体重を、生活習慣を見直して元に戻せば、脂肪肝も良くなる。BMIを「1」下げると、肝機能が改善するとの研究報告もある。増えた体重をそのままにしておかないことが、体調管理をする上で重要だ。

 いったん肝硬変や肝がんまで進んでしまうと、肝臓を健康な状態に戻すことはできない。しかし、脂肪肝やNASHの状態であれば、健康な状態に戻すことは十分に可能だ。そのためには、食事や運動など、生活習慣の見直しが大きな鍵となる。

 米国肝臓財団は、食や運動不足から肝臓を守る方法として、次のことをアドバイスしている。

● 脂肪の摂り過ぎに注意
 肉類の脂身を避ける。フライドチキンなどの揚げ物は特に高カロリー。天ぷらにも植物性油が使われているので注意する。

● 間食を避ける
 お菓子や清涼飲料水などに多く含まれる果糖は、摂取すると中性脂肪となって肝臓に蓄積されやすい。間食も1回の量が少なくても、繰り返すと余分な糖質や脂質を摂取することになる。ケーキやチョコレートなどの間食は、1日1回など制限を設けよう。

● ウォーキングなどの有酸素運動を続ける
 「運動の習慣がない人」は、肝臓にたまった脂肪を消費することができないため、脂肪肝になりやすい。脂肪肝を改善するのに効果的なのはウォーキングなどの有酸素運動だ。肝臓の脂肪は比較的短時間の運動でも燃焼する。ウォーキングであれば1回30分間、週に5回ほど行うのが目標だ。

● ブロッコリーなどの野菜を食べる
 野菜に含まれる「スルフォラファン」は肝臓の機能を高める効果があると注目されている。スルフォラファンは、ブロッコリーやキャベツ、カリフラワーやケールなどのアブラナ科の野菜に多く含まれる。食事の最初にブロッコリーなどを含むサラダをノンオイルドレッシングで食べると効果的だ。

Non-Alcoholic Fatty Liver Disease(米国肝臓財団 2014年11月15日)

[Terahata]

「栄養」に関するニュース

2021年12月21日
肥満や糖尿病の人ではFGF21の抗肥満作用が低下 朝食抜き・毎日飲酒・喫煙といった生活スタイルが影響
2021年12月20日
牛乳を毎日コップ1杯飲んでいる女性は脳卒中のリスクが低下 牛乳に血圧を下げる効果が?
2021年12月13日
早食いは肥満や体重増加につながる ゆっくり味わってよく噛んで食べるとエネルギー消費量を増やせる
2021年12月13日
【新型コロナ】子供の心の実態調査 食事を食べられなくなる「神経性やせ症」の子供がコロナ禍で増加
2021年12月09日
野菜摂取量向上を図るプロジェクトが最優秀賞 「第10回健康寿命をのばそう!アワード」生活習慣病予防分野
2021年12月08日
「今求められる女性の健康サポート」へるすあっぷ21 12月号
2021年12月06日
【新型コロナ】腸内環境を健康にして感染対策 食物繊維で善玉菌をサポート 腸内菌が感染と重症化を防ぐ?
2021年11月30日
牛乳やヨーグルトなどの乳製品が高齢者の骨折や転倒のリスクを減少 カルシウムとタンパク質を十分に摂ることが大切
2021年11月30日
内臓脂肪が多いと認知症リスクが上昇 脳の異常も発生 内臓脂肪を減らせばリスクを減らせる
2021年11月30日
【新型コロナ】感染拡大の影響で食生活も変化 食育への関心は高いが実行がともなわない 食育を紹介したピクトグラムを作成
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(毎週木曜日)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶