ニュース
健康食品やサプリをどう使う? ビタミン・魚油のサプリが基本
2015年03月02日

ダイエットや疲労回復などの目的でサプリメント(サプリ)を使ってみたが、期待していた効果はなかったという経験はないだろうか。体に必要な栄養素を毎日の食事でしっかりとるのが基本で、足りない分をサプリなどで補うのがもっとも一般的な使い方だ。しかし、サプリや健康食品を利用する際には注意も必要だ。
不足しがちな栄養素を手軽に摂取できるサプリを、多くの人が利用している。しかし、利用するときには注意が必要だ。2月21日で東京で開催された公開セミナーで国立健康・栄養研究所情報センター長の梅垣敬三氏が注意点を解説した。
過剰摂取と医薬品との相互作用に注意
内閣府消費者委員会が2012年におこなった調査によると、サプリなど健康食品を利用している人は国民の60%におよび、うち半分にあたる26%の人は毎日飲んでいるという。また、50代以上の約3割が健康食品をほぼ毎日利用している。
多くの人が利用しているサプリだが、適切に利用しないと健康上の害になる場合もある。
まず注意が必要なのは過剰摂取。錠剤・カプセル状のサプリは特定の成分が濃縮されているために、日常食べている食品よりも体への作用が強くなりがちだ。
医薬品との相互作用にも注意すること。サプリの中には医薬品の効果を強めたり、弱めたりするものもある。そのため薬を飲んでいる人は、医師に相談したり、内閣府の食品安全委員会などが出す注意喚起にも気をつけた方が良い。
たとえば、骨粗鬆症の治療によく使われる「ビスホスホネート製剤」と「カルシウムのサプリ」は一緒にとってはいけない。ビスホスホネート製剤にはカルシウムと結合しやすい性質があり、薬が腸管から吸収されにくくなるためだ。
また、血栓ができるのを防ぐ薬「ワルファリン」をのむ際に注意したいのが納豆だ。ワルファリンは、納豆に含まれるビタミンKによって効果が弱められてしまう。ビタミンKを含むサプリにも注意が必要だ。
サプリや健康食品の品質や成分を確認
一般に錠剤・カプセル状のサプリは、医薬品と混同されやすいが、両者はまったく異なるものだ。その違いは「製品の品質」と「有効性・安全性の科学的根拠」だ。
製品の安全性・有効性を確保するには、製品中に一定量の有効成分が含まれ、有害成分が含まれていないことが重要となる。医薬品はすべてGMP(適正製造規範)にもとづき、一定の品質が確保された製品として製造されている。しかし、サプリや健康食品の多くはGMPにもとづく製造はされていない。
「医薬品にも使われている成分です」との文言で製品の有効性をアピールしているサプリがある。しかし、表示されている成分の製品中の含有量は、効果が期待できないほど微量であったり、医薬品とは利用目的や利用方法が異なっていることがある。
健康食品と異なり、医薬品は病気の人を対象に効果や安全性が検討されていて、医師・薬剤師によって安全かつ効果的に利用できる環境が整備されている。
サプリや健康食品は「摂取すれば健康になれる」というイメージが強いが、安全性や有効性がしっかり検証されている製品もあれば、まったく検証されていない製品もある。
GMPで製造された製品であるなど、製品の品質が確保されていること、製品中の個別成分の含有量、製造者や問い合わせ先が明確になっていることを確認しよう。
健康食品に関する基礎知識や成分に関する安全性・有効性についての詳しい情報は、国立健康・栄養研究所が運営している"「健康食品」の安全性・有効性情報"で検索できる。
マルチビタミン・魚油のサプリが基本

「健康食品」の安全性・有効性情報
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「栄養」に関するニュース
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- 2025年02月03日
- 良い睡眠は肥満や高血圧のリスクを減らす 日本人の睡眠は足りていない 3つの方法で改善
- 2025年01月23日
- 大腸がんが50歳未満の若い人でも増加 肥満のある人は大腸がんリスクが高い 予防に役立つ3つの食品とは?
- 2025年01月23日
- 高齢者の要介護化リスクを簡単な3つの体力テストで予測 体力を維持・向上するための保健指導や支援で活用