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化粧に健康寿命を延ばす効果 化粧が高齢者の「生きがい」を増進
2015年04月02日

資生堂は、東京都健康長寿医療センターと共同で検証した調査で、化粧に健康寿命(自立した生活ができる期間)を延ばす効果があることを確認したと発表した。
高齢者やがん患者が楽しみながら化粧を行うプログラム
入院したり介護を受けたりせずに、日常生活を過ごすことができる期間を示した「健康寿命」と平均寿命との差は、2010年度厚生労働白書では、男性で9年、女性で13年の差があることが示された。つまり、日本人は平均で9~13年、制限のある「不健康な期間」を過ごしていることになる。
資生堂は2013年から、高齢者やがん患者らがスキンケアや化粧を行うことで心が明るくなり、「運動機能の維持・向上」「認知症の予防」「老人性抑うつ予防」の効果を期待できる「化粧サービス」(化粧療法プログラム)事業を行っている。
施設に入所している高齢者が同社の専門スタッフと化粧を行う「資生堂ライフクオリティー事業」は、2013年に始められ、ノウハウが経済産業省の「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」に採択された。今回の実験では効果の検証が行われた。
「化粧サービス」は、健康寿命を延ばすことを目的に、高齢者や視覚障害者、がん患者らが、同社の専門スタッフと一緒に、自身が化粧を楽しみながら行う教室形式のプログラム。
2014年6月~2015年2月に東京都健康長寿医療センターと共同で実施した検証には、介護福祉施設入所高齢者、回復期リハビリテーション病院入院高齢者、急性期病院外来通院高齢者、地域在住高齢者の計404人が参加した。
自宅や施設での毎日のスキンケアの後、参加者自身に健康感を4段階で評価してもらった。参加前後の変化を比べたところ、健康と感じる参加者が増え、不健康に感じる参加者が減っていた。1段階以上改善した参加者は全体の22.2%に上った。
また、気分が落ち込むなどの抑うつ傾向を改善させる効果もあったという。このことより、「化粧サービス」が健康寿命の延びに有効なことが明らかになったとしている。
1人当たり1万4,220円の介護費用削減の効果
結果をもとに、みずほ情報総研の協力で介護費用削減効果を試算したところ、同サービスを受けることで、1人当たり年間1万4,220円の削減効果があることも分かった。
試算は、東京都健康長寿医療センターが地域高齢者を対象に実施した郵送調査で得られた健康度自己評価から要介護状態の出現率を算出したデータをもとに行った。
病気、身体の衰えといった身体的な理由や、環境の変化が影響し、化粧をやめてしまう高齢者は多い。しかし、施設の利用者に聞くと「本音では化粧をしたいと思っている人が多い」という。
「そうした高齢者に再び化粧を楽しんでもらう"化粧療法"は、"運動""食事""交流"の3つの要素に関わっており、健康寿命の延伸に効果的」と、同社は説明している。
資生堂ライフクオリティー事業
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