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牛乳やヨーグルトは脳の健康に良い 認知症のダメージから脳を守る
2015年04月09日

牛乳やヨーグルトなどの乳製品を多く摂取すると、脳の酸化ストレスを抑える「グルタチオン」という抗酸化物質が増えることが明らかになった。牛乳を飲む習慣が、認知症などを引き起こすダメージから脳を守る可能性がある。
牛乳を飲むと脳内のグルタチオン濃度が上昇
研究は、米国のカンサス大学医療センターのインヤング チョイ氏らとデブラ サリバン氏らによるもので、米国栄養学会誌に発表された。
研究チームは、平均68.7歳の60人を対象に、MRI(磁気共鳴画像)を応用した検査を行い、脳内のグルタチオン濃度を調べた。検査前の7日間の食事内容について尋ねた。
この結果、乳製品の摂取量が多いと、脳内(前頭、頭頂、前頭頭頂)のグルタチオン濃度が高くなることを発見した。特に、牛乳の摂取量が多いほど、3つの脳領域の全てでグルタチオン濃度は高くなった。
また、頭頂部のグルタチオン濃度は、チーズの摂取量、カルシウムの摂取量が多いほど高くなった。
グルタチオンは、アミノ酸が化合物の一種で、活性酸素によるダメージから体を守り、ダメージを受けた部分を修復する抗酸化作用に加え、毒素を細胞外に排出する解毒作用がある。
脳内の酸化ストレスは、アルツハイマー病、パーキンソン病などの脳神経疾患を引き起こす原因になると考えられている。
乳製品の推奨量を満たす食生活が脳の健康を保つ
「今回の研究は、牛乳などの乳製品の新しい健康上の便益を示すものです。牛乳が脳の健康ためにも重要である可能性があります」と、サリバン氏は言う。
グルタチオンによって酸化ストレスが軽減し、結果として脳内の代謝過程で発生する化学物質によって引き起こされる脳組織のダメージがくいとめられる可能性があるという。
米国の食事ガイドラインでは、1日に牛乳を含む乳製品を3サービング(1サービングは牛乳1杯分に相当)摂取することを推奨している。今回の研究では、この推奨量に近いほど、脳内のグルタチオン濃度が高いことが判明した。
「乳製品のガイドラインの推奨量を満たしている人は少ないことも分かりました。食事や運動などの生活スタイルを改善し、乳製品の推奨量を満たす食生活を続ければ、脳の健康にも大きな影響がもたらされる可能性があります」と、チョイ氏は指摘する。
今後は牛乳の効能をより正確に調べるために、無作為化対照試験が必要だと付け加えている。
New research at KU Medical Center finds a possible correlation between milk consumption and brain health(カンサス大学医療センター 2015年3月12日)Dairy intake is associated with brain glutathione concentration in older adults( American Journal of Clinical Nutrition 2015年2月)
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