ニュース
運動は夫婦で取り組むと成功しやすい 継続しやすく相乗効果も
2015年04月23日

「運動が長続きしない」という人に朗報だ。運動は夫婦で取り組むと長続きし、より充実したものになるという調査結果が発表された。
健康的な生活スタイルは夫婦で共有しやすい
この研究は、米国のジョンズ ホプキンス大学とイスラエルのテルアビブ大学の研究チームが米国心臓学会の学術集会で発表したもの。
夫婦は、喫煙や過度の飲酒といった不健康な生活スタイルを共有しやすいことが分かっていたが、運動習慣が夫婦間にもたらす影響についての調査はこれまで行われていなかった。
この研究は、コミュニティでのアテローム性動脈硬化のリスクを調査した「ARIC研究」の一環として行われた。ARIC研究は1987年に開始され、1万5,792人の45歳以上の中年の男女が参加している。
米国の運動ガイドラインでは、ウォーキングなどの中強度の運動を週に150分行うか、ランニングなどの強めの運動を週に75分行うことを推奨しているが、実際に実行している米国人は20%程度だという。
研究チームは、配偶者の運動習慣の有無が判明している3,261人を対象に、6年の間隔をおいて調査した。運動ガイドラインの推奨する運動量を満たしていたのは、男性の45%と女性の33%だった。
6年間の調査で、1回目の調査で妻が基準を満たしていた場合に、2回目の調査で夫が満たした割合は、妻の運動が少なかった場合に比べ70%高くなっていた。
同様に1回目で夫が基準を満たした場合は、2回目で妻が満たす割合が40%高くなった。
「運動をはじめとする健康的な生活スタイルは夫婦で共有しやすく、互いに良い影響を与え合うことが判明しました」と、ジョンズ ホプキンス公衆衛生大学院のローラ カブ氏は言う。
「運動の推奨量を満たしていない人が多い中、夫婦で運動に取り組むと成功しやすいことが分かったのは朗報です。朝食のテーブルをともに囲むパートナーは、互いに強い影響力をもっています。運動を続けるために、夫婦の取り組みで得られるパワーを取り入れるべきです」と、カブ氏は強調している。
Physical Activity Among Married Couples in the Atherosclerosis Risk in Communities Study(米国心臓学会 2015年4月7日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「運動」に関するニュース
- 2025年07月28日
- 日本の「インターバル速歩」が世界で話題に 早歩きとゆっくり歩きを交互に メンタルヘルスも改善
- 2025年07月28日
- 肥満と糖尿病への積極的な対策を呼びかけ 中国の成人男性の半数が肥満・過体重 体重を減らしてリスク軽減
- 2025年07月28日
- 1日7000歩のウォーキングが肥満・がん・認知症・うつ病のリスクを大幅減少 完璧じゃなくて良い理由
- 2025年07月18日
- 日本人労働者の3人に1人が仕事に影響する健康問題を経験 腰痛やメンタルヘルスなどが要因 働きながら生産性低下を防ぐ対策が必要
- 2025年07月18日
- 「サルコペニア」のリスクは40代から上昇 4つの方法で予防・改善 筋肉の減少を簡単に知る方法も
- 2025年07月14日
- 暑い夏の運動は涼しい夕方や夜に ウォーキングなどの運動を夜に行うと睡眠の質は低下?
- 2025年07月07日
- 日本の働く人のメンタルヘルス不調による経済的な損失は年間7.6兆円に 企業や行政による働く人への健康支援が必要
- 2025年07月07日
- 子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
- 2025年07月01日
- 生活改善により糖尿病予備群から脱出 就労世代の1~2割が予備群 未病の段階から取り組むことが大切 日本の企業で働く1万人超を調査
- 2025年07月01日
- 東京糖尿病療養指導士(東京CDE) 2025年度申込を受付中 多職種連携のキーパーソンとして大きく期待される認定資格