ニュース
歯周病予防のために3つのチェックポイント 歯科医師が解説
2015年05月07日
歯周病予防のための「歯ぐきのハレ」のチェックとセルフケアのポイントを、「ウーマンウェルネス研究会 supported by Kao」が公開した。
歯ぐきのハレを見落とさないことが重要
厚生労働省「歯科疾患実態調査」によると、35歳以上の約8割が歯周病を発症している実態がある。一方、「ウーマンウェルネス研究会」が行った意識調査では、「自分は歯周病だと思うか」の問いに約半数が「そう思わない」と回答しており、多くの人が歯周病に気づいていないようだ。歯周病であることを自覚していない"かくれ歯周病"は30代以上に多いと推測される。
「歯周病は、進行しないと痛みや違和感を感じにくく、日常生活に影響しないため、自覚しにくいという特徴があります。奥歯などの見えにくく、歯ブラシが届きにくい部位から歯周病が起こるのも、気づきにくい理由です」と、高柳歯科医院の高柳篤史氏は説明する。
歯周病を予防する上で、初期症状である「歯ぐきのハレ」(歯肉炎)に気づくことはとても大切であるという。歯と歯ぐきの間に細菌が入り込むと、歯肉炎が起こりやすい。意識調査では「歯ぐきのハレ」を気にしている人は16.6%ににとどまったが、実は普段からチェックすることが必要だ。
「軽度な歯肉炎であれば、セルフケアで健康な歯肉に戻すことができるので、ふだんから、鏡で口の中を観察したり、歯科医院で定期検診を受けるなど、歯ぐきのハレを見落とさないすることが重要です」と、高柳氏は指摘する。
「歯ぐきのハレ」を自覚するための3つのチェックポイント

歯と歯の間の歯肉(歯茎)のことで、はじめに炎症が起こりやすい部分だ。健康な歯ぐきは歯間乳頭が引き締まり、三角形をしていますが、はれていると先端が丸くなる。特に奥歯はブラシが届きにくく、はれやすい。 (2)歯ぐきの色
健康な歯ぐきは、うすいピンク色をしているが、はれているときは炎症して、赤みが強くなる。 (3)ブラッシング時の出血の有無
歯ぐきがはれているときは、ちょっとした刺激で出血しやすくなる。歯ぐきが健康であれば、念入りにブラッシングをしても出血することはない。痛みがなくても、出血したときは歯周病が疑われる。 歯周病を予防するためのセルフケア 2つのポイント (1)歯垢を除去する
まずは、歯周病の原因物質である歯垢をしっかりと取り除くことが大切。歯と歯ぐきの間を意識し、1本ずつ丁寧に磨こう。出血がある部分も避けずに歯垢を取り除くことが大切だ。鏡で口の中を確認しながら、ブラッシングするのも効果的だ。 (2)歯ぐきの血流を回復する
歯ぐきにハレがあると、歯垢由来の毒素によって歯ぐきに炎症性物質などの老廃物がたまり、血流に障害が起きやすい状態になっている。歯ぐきに蓄積した老廃物を効果的に排泄し、歯ぐきをマッサージすることで、歯ぐきの健康を保つ効果が期待できる。 ウーマンウェルネス研究会
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「健診・検診」に関するニュース
- 2025年08月21日
- 歯の本数が働き世代の栄養摂取に影響 広島大学が新知見を報告
- 2025年07月07日
- 子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
- 2025年06月27日
-
2023年度 特定健診の実施率は59.9%、保健指導は27.6%
過去最高を更新するが、目標値と依然大きく乖離【厚労省調査】 - 2025年06月17日
-
【厚労省】職域がん検診も市町村が一体管理へ
対策型検診の新項目はモデル事業で導入判断 - 2025年06月02日
- 肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
- 2025年05月20日
-
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化 - 2025年05月16日
- 高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
- 2025年05月16日
- 【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
- 2025年05月12日
- メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
- 2025年05月01日
- ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】