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産業看護職に求められる実践能力開発プログラムとは

 産業看護マトリックス研究会は、第88回日本産業衛生学会において、新人期の産業看護職に必要なスキルの習得とその到達レベルについてポスター発表を行った。発表タイトルは、「産業看護職に求められる実践能力開発プログラム」(発表者 伊藤雅代)。

 産業看護マトリックス研究会は、産業看護の現場の事例から事例解析手順に沿って解析することで組織での問題解決スキルを習得を目指している。また、その理論を形成していくため、事例解析をまとめその成果を学会に研究報告している。

 現在取り組んでいるのは、産業看護のキャリア形成するための自己学習するためのチェックリストを作成しており、一人職場が多い産業看護職に視点を当てながら、新人期のことを検討している。今後は、中堅期・上級期に進める予定としてる。

スキル取得には系統だった教育プログラムが必要
 第88回日本産業衛生学会のポスター発表では、新人期に必要な産業看護実践における基礎スキル項目の難易度設定を行い、それを元にスキル向上の着手順位を検討した結果を報告した。

 同研究会は、1~3年の新人期に必要な産業看護実践における基礎スキル評価表を、48事例240管理ポイントから100項目の設問を開発している。各項目に、北尾誠英氏のPMC理論に基づきTechnical:専門的(T),Human:対人的(H),Conceptual:概念化(C)の3スキルに分類及び到達レベルを設定した。

 調査は、経験年数1~3年の産業看護職に基礎スキル評価表への回答を依頼、54名(保健師50名、看護師4名)の回答を分析対象とし、SP表を活用した難易設定と質問項目の再精査を、産業看護歴1~40年以上の研究会メンバーで行った。

 その結果、スキルは、知識と経験の積算により修得でき、経験の中には、短期間にできるものと、長期間で積み重ねられるものがあることが判明した。一方、長期間の経験が必要なものについては、意識した上で計画すると修得期間を短縮することができることがわかった。

 同研究会は、自己のスキルチェックにより、どのスキルを優先し身につけるべきかを判断するためのツールを開発できたとしている。特に、難易度が高く、達成年数が低いものについては、スキル獲得に向かって、意図的で計画的な教育が必要とし、このプログラム開発が今後の課題であるとしている。

産業看護マトリックス研究会
第88回日本産業衛生学会
[保健指導リソースガイド編集部]
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