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低炭水化物ダイエットと低脂肪ダイエット 効果的なのはどちら?
2015年08月27日
脂質量とカロリー摂取量を制限する「低脂肪ダイエット」は、体脂肪や体重を減らすのに効果的であることが、研究で確かめられた。
メタボや肥満に対策するのに効果的なダイエットはどれ?
「低炭水化物ダイエット」は、肥満や2型糖尿病の治療を目的として、ご飯やパンなどの炭水化物の摂取比率や摂取量を減らす食事法だ。主食を減らすだけで簡単に取り組めるので人気が高いが、その効果についてはさまざまな議論がある。
一方、「低脂肪ダイエット」は、脂肪の少ない肉、魚介類、大豆製品、乳製品を選んで食べる食事法。低脂肪の食材を使わなければならないので、実行するのは比較的難しいとされる。
「メタボリックシンドロームや肥満の人が体脂肪を減らしたい場合に、低炭水化物ダイエットと低脂肪ダイエットのどちらが良いのか?」という議論が多く行われている。米国で行われた最新の研究で、低脂肪ダイエットの方がより効果的であることが判明した。
研究は、米国立衛生研究所(NIH)の研究チームが行ったもので、体格指数(BMI)の平均が36で平均年齢が35歳の肥満者19人が参加して行われた。米国ではBMIが30以上であると肥満と判定される(日本の基準ではBMI25以上が肥満)。
研究チームは、参加者にNIH臨床センターの「メタボリックユニット」に数週間入院してもらった。最初の5日間は糖質50%、脂質35%、蛋白質15%で構成されたバランスのよいベースライン食をとってもらった。
続く2週間は脂質量を30%減らした脂質制限食を摂取し、さらに続く2週間は炭水化物量を30%減らした炭水化物制限食を摂取してもらった。どちらもベースライン食よりもカロリー摂取量を30%制限した。
その結果、1日あたりの体脂肪減少量は、炭水化物制限群では53gだったのに対し、脂質制限群では89gと有意な差がみられた。
減量効果は、脂質制限群(マイナス1.4kg)より炭水化物制限群(マイナス1.8kg)で大きかったが、研究者によると水分消失量の違いによるものだという。
体重や体脂肪を減らすためにカロリー制限は必須
Calorie for Calorie, Dietary Fat Restriction Results in More Body Fat Loss than Carbohydrate Restriction in People with Obesity(Cell Metabolism 2015年8月13日)
You Don't Need To Go Low-Carb To Burn Body Fat, Study Says(National Public Radio 2015年8月13日)
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