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特定健診の効果が測れない システムの設計ミスで8割が検証不能

 厚生労働省が管理する医療ビッグデータのシステムに設計ミスがあり、運用が開始されて6年経った今も改修されていないことが会計検査院の調査で分かった。特定健診のデータのうち、同じ患者のレセプト(診療報酬明細書)のデータと照合できたのは20%程度にとどまり、このままでは特定健診の医療費抑制の効果の検証に活用できないことが明らかになった。
特定健診データの8割が検証不能
 このシステムは厚生労働省がおよそ28億円をかけて整備し、2009年から運用している「ナショナルデータベース」(NDB)で、2014年度までに約28億円をかけ、特定健診で約1億2,000万件、レセプトで約87億8,900万件を暗号化したうえで収集している。

 特定健診のデータを同じ患者のレセプトと照合することで、健診が医療費抑制につながるかを検証することが目的のひとつだ。

 会計検査院は、厚労省が2011~12年度に集めた特定健診データ約4,820万件を調査した。その結果、実際に照合できたのは2011年度が19.0%、2012年度は24.9%で、システムがほとんど機能していないことが判明した。

 国内最大の公的医療保険の運営者「全国健康保険協会」のケースでは、特定健診を受けた延べ1,000万人以上について1人も照合できないことが判明。さらに、データを提供した延べ2841の健康保険組合のうち、一件も合致しない組合が9割超を占めた。
全角と半角文字の混合でデータを照合できず
 システムは、(1)医療機関が特定健診やレセプトのデータ(保険者番号、氏名、生年月日、男女区分など)を入力、(2)全国健康保険協会や支払基金が数字や文字のサイズなどを変換してデータを匿名化処理、(3)厚労省が再度、匿名化処理して保存、(4)2つのデータを照合−−する仕組み。

 同じ人のデータでも、健診実施機関や医療機関によって、被保険者証等記号などの入力方法が「全角」「半角」で異なるほか、氏名も「カタカナ」や「漢字」が混在し、統一されていなかったことが原因。このデータを匿名化処理した場合、同じ人物のデータなのに異なる人物のデータとして処理されてしまい、データが合致しなくなった。

 特定健診には昨年度までの7年間に1200億円超の国庫補助金が支出されており、厚労省は18年度に医療費適正化計画の実績評価をまとめる予定。

 検査院は「2018年度に予定されている第2期医療費適正化計画の評価で、収集・保存されているデータをもとに医療費適正化に及ぼす効果を適切に評価できなくなる」と指摘している。

 厚労省は「すでに集めたデータも照合できるように今年度にシステム改修を進める」としている。

レセプト情報・特定健診等情報データベースシステムにおける収集・保存データの不突合の状況等について(会計検査院 2015年9月4日)
[Terahata]

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