ニュース

がん検診の最新情報 費用の目安は2000円以内 自治体の広報活動に期待


 がんを発症する日本人は2人に1人、3人に1人がんで死亡している。がんの治療で重要なのは、どれだけ早期発見ができるかということだ。厚生労働省はがん検診の受診について、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を作成し、がん検診の受診率を50%以上とすることを目標にしている。
がん検診「40歳以降は年に1回」が目安
 がん検診の主流となっているのは、X線、CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(核磁気共鳴画像法)といった画像診断だ。最終的にがん診断を確定させるのは、多くは内視鏡検査などで細胞を採取する病理検査だ。

 5年後の見直しを経て2012年6月に策定された「がん対策推進基本計画」では、「5年以内に受診率50%(胃、肺、大腸は当面40%)」が掲げられ、40~69歳(子宮頸がんは20~69歳)を対象に受診率を算定している。
がん検診の費用は2,000円以内
 各地方自治体(都道府県、市町村、特別区)が、がん検診や一般の健康診断、人間ドックの案内を出しており、委託を受けた医療機関などで検診を受けることができる。市区町村によって自己負担する金額は異なり、各自治体のホームページや広報誌に、自己負担をする費用について記載がある。

 厚生労働省では2009年度以降、大腸がん・乳がん・子宮頸がんについては、一定年齢の人に検診無料クーポン券を送付し、検診率が上がるような施策を行っている。
 クーポンなどがない場合、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんについては、ほとんどの市町村で検診が行われている。厚生労働省がまとめた「市区町村におけるがん検診の実施状況等調査」によると、2015年度に行われた自治体のがん検診の費用は次のような状況だ。完全無料という場合は少ないが、費用額としてはほとんど2,000円以内の少額だということが分かる。
市区町村におけるがん検診の実施状況等調査
がん検診の受診は3割にとどまる
 東京都は都民のがん検診受診率50%の目標を掲げているが、都が2014年に都民へ実施した調査によると、主要ながん検診を「過去1~2年以内に受けた」という人の割合は男性で30.4%、女性で24.6%にとどまった。胃がん検診で27.3%、大腸がん検診で36.8%、肺がん検診で40.2%、乳がん検診で32.3%だった。

 「受けたことがない」人の割合はそれぞれ、胃がん検診で42.1%、大腸がん検診で44.2%、肺がん検診で45.9%、乳がん検診で39.7%に上った。

 どのような環境が整えば、がん検診を受診する人が増えると思うか聞いたところ、「費用の補助を受けることができる」の割合がもっとも高く64.6%、次いで「一般健診(特定健診、職場の定期健康診断など)と同時に受けることができる」が45.2%、「複数のがん検診を一度に受けることができる」が44.5%だった。

 上記に述べた通り、がん検診の負担は高くない。自治体の広報活動や、受診しやすい環境づくりが求められている。東京都は、職場単位での検診など集団的な予防策を進める企業への支援に取り組んでおり、「各種の検診を手がける区市町村と連携し、早期発見・早期治療の重要性を広く周知する」と述べている。

 調査は「都民の健康と医療に関する実態と意識」をテーマに、2014年10月~11月に実施した。無作為に抽出した20歳以上の都民6403人(3,597世帯)から回答を得た。

第16回がん検診のあり方に関する検討会(厚生労働省 2016年2月18日)
かかりつけ医のためのがん検診ハンドブック~受診率向上をめざして~(厚生労働省)
「都民の健康と医療に関する実態と意識」の結果(東京都 2015年10月29日)
[Terahata]

「がん」に関するニュース

2021年05月26日
2021年度版【保健指導アトラス】を公開!保健指導に携わる人が知っておきたい法律・制度
2021年04月13日
「腸内環境」が高齢化すると生活習慣病に関連する代謝物が増える 「腸内細菌叢」を若く保ち加齢疾患のリスクを低下
2021年04月12日
【子宮頸がんを予防する日】予防ワクチンの接種を受ければ9割の感染を防げる 定期的な検診で女性の未来を守れる
2021年04月06日
玄米や麦ごはんなどの「全粒穀物」が心臓病や脳卒中のリスクを低下 「超加工食品」の食べ過ぎにも注意
2021年03月23日
【新型コロナ】コロナ渦でも楽しく運動を スポーツ庁が「オリジナル運動コンテンツ紹介サイト」を公開
2021年03月09日
野菜3皿、果物2皿を毎日食べるともっとも健康的 食べ過ぎに注意が必要な野菜も判明 10万人を調査
2021年03月02日
女性が多量飲酒をすると乳がんリスクが1.7倍に上昇 女性ホルモンが影響か 日本人女性16万人対象の大規模調査
2021年02月24日
健康寿命を伸ばすための10の方法 横断的根拠にもとづき具体的にアドバイス 国立医療研究センター6機関が提言
2021年02月10日
「がんになっても笑顔で暮らせる社会」 がんサバイバーのためのプロジェクト「LAVENDER RING」 206人の向き合い方をフォトブックに
2021年02月09日
がん治療と仕事を両立する「がんサバイバー労働者」 働けていることに幸福感 就労復帰後も健康感などを向上させるサポートが必要
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 10,995 人(2021年07月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 2.7%
  • 保健師 44.8%
  • 看護師 10.8%
  • 管理栄養士・栄養士 19.8%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶