ニュース
熊本地震 エコノミークラス症候群を防ぐために「足の指でグーをつくる」
2016年04月21日

熊本県などで発生した一連の地震の影響で、多くの人々が避難生活を続けており、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症・肺塞栓症)とみられる症状で病院に搬送される人が増えている。厚生労働省などは、エコノミークラス症候群の予防法をまとめて公開し注意を呼びかけている。
エコノミークラス症候群、被災地で多発
熊本医療センター(熊本市中央区)によると、熊本市西区の自宅駐車場で車中泊をしていた女性が、車から降りた際に倒れ、心肺停止状態で同センターに搬送された。エコノミークラス症候群と診断され、死亡が確認された。
熊本県内ではこの女性のように、避難所や自宅の駐車場に止めた車の中で生活している避難者が多くいる。余震が続き自宅に残りたくないという人や避難所でのプライバシーの問題がその理由だという。
長時間座ったまま過ごしたあと、歩きはじめたとたんに、急に呼吸困難やショックを起こし、ときには亡くなることもある――これが「エコノミークラス症候群」(深部静脈血栓症・肺塞栓症)と呼ばれる病気の典型的なケースだ。
エコノミークラス症候群は、肺動脈が血栓によって閉塞することで引き起こされる。長時間狭い椅子に座ったままの状態を強いられると、足の血液の流れが悪くなり、静脈の中に血のかたまり(静脈血栓)ができやすくなる。この静脈血栓が歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れに乗って肺に到着し肺の動脈を閉塞してしまう。
エコノミークラス症候群と呼ばれるので「飛行機でのみ起こる症状」だと思われがちだが、実は飛行機だけではなく、車や列車など長時間座席に座って過ごす時や、オフィスでのデスクワーク、長時間の会議などでも起こると考えられている。
エコノミークラス症候群を防ぐには

避難所における循環器疾患の予防のために注意すべきこと(日本循環器学会)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「地域保健」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮