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厚労省が膀胱がんとオルト-トルイジンのばく露に関する医学的知見を公表

 厚生労働省はこのほど、膀胱がんと化学物質「オルト-トルイジン」との関連について、国際的な報告や疫学調査結果を分析・検討して報告書をとりまとめ、公表した。平成28年1月に福井県内の化学工場で、オルト-トルイジンなどを取り扱う業務に従事していた労働者から、使用した化学物質が原因で膀胱がんを発症したとの労災請求がなされたことによるもの。

 厚生労働省では平成28年6月から「芳香族アミン取扱事業場で発生した膀胱がんの業務上外に関する検討会」(座長:柳澤裕之 東京慈恵会医科大学 教授)を設置し、因果関係などの調査を進めてきた。その結果、オルト-トルイジンのばく露と膀胱がんの発症リスクとの関連性について、

・ばく露業務に10年以上従事した労働者に発症した膀胱がんは、潜伏期間が10年以上認められる場合、その業務が有力な原因となって発症した可能性が高いものと考える

・ばく露業務への従事期間または潜伏期間が10年に満たない場合は、作業内容、ばく露状況、発症時の年齢、既往歴の有無などを勘案して、業務と膀胱がんとの関連性を検討する。

 と結論づけた。これは、ばく露期間別に膀胱がんの発症のリスクを見ると、10年以上のばく露では有意差が認められたものの、5年以上10年未満のばく露では、統計的に優位に至っていないが、膀胱がんの発症に関与していることが示唆されたため。5年未満のばく露での膀胱がん症例も報告されているが、「症例数も少なく、研究対象も偏っていることから、発症リスクを増加させることを示唆する研究報告は認められなかった」としている。

 今後については、事業場を管轄する福井労働局に対して、検討結果報告書に基づいて速やかに事務処理を行うよう指示したほか、オルト-トルイジンを取り扱う事業場に対する労災請求手続き等の周知を実施。オルト-トルイジンは平成28年11月に特定化学物質に指定された。

報道発表「膀胱がんとオルト-トルイジンのばく露に関する医学的知見を公表します」(厚生労働省)
[yoshioka]
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