糖尿病合併症のバイオマーカー:GAの臨床的意義
糖尿病合併症のバイオマーカー:GAの臨床的意義
久山町研究から考える
癌と血糖バイオマーカー
近年、糖尿病と癌の関連が注目されているが、現在のところ癌を予測する血糖バイオマーカーに関する報告はほとんどない。久山町研究では、1988年の集団(40歳以上)を19年間追跡して耐糖能レベル(WHO基準)と癌死のリスクとの関連を検討し、糖尿病のみならず空腹時血糖異常(IFG)およびIGTレベルでもそのリスクが有意に上昇することを報告している(ハザード比:糖尿病2.1、IFG1.5、IGT1.5)16)。また、同集団の追跡調査でHbA1cレベルと胃癌発症のリスクとの関連を検討した結果、HbA1cが6.0~6.9%の比較的低いレベルから胃癌のリスクが有意に上昇した17)。
血糖値および血糖バイオマーカーと癌の関連については、今後さらに検討すべき疫学研究および基礎的研究の課題として残されている。
参考文献
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17) Ikeda F, et al. Gastroenterology 136:1234-1241, 2009
初 出
第60回 日本糖尿病学会年次学術集会 ランチョンセミナー(2017年5月18日、名古屋)
演題:糖尿病合併症のバイオマーカー:GAの臨床的意義 久山町研究から考える Vol.2
座長:難波 光義 先生(兵庫医科大学病院 病院長)
演者:清原 裕 先生(公益社団法人 久山生活習慣病研究所 代表理事)
共催:旭化成ファーマ株式会社
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