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「健康日本21」(第二次)の中間評価(2) 日本人の平均寿命と健康寿命が延伸
2018年03月15日

厚生労働省は9日、介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2016年は男性72.14歳、女性74.79歳だったと公表した。
前回調査の2013年の調査から男性は0.95歳、女性は0.58歳、それぞれ延びた。平均寿命との差は男性8.84歳、女性12.35歳で、やはり縮小している。
前回調査の2013年の調査から男性は0.95歳、女性は0.58歳、それぞれ延びた。平均寿命との差は男性8.84歳、女性12.35歳で、やはり縮小している。
「日常生活に制限のある期間」
男性で0.63年、女性で0.71年短縮
厚労省の研究班が3年に1度の国民生活基礎調査(大規模調査)を使って推計した。熊本地震の影響で調査できなかった熊本を除く46都道府県のデータを使用した。
素案には「日常生活に制限のない期間」(健康寿命)と「日常生活に制限のある期間」について、それぞれ平均値が示された。
「健康日本21」(第二次)の目標である「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」は、男女とも達成と判定されたことが明らかになった。
「健康寿命」は、国民生活基礎調査で、健康上の問題で日常生活に影響がないと答えた人の割合や年齢別の人口などから算出する。
健康寿命は、2010年・2013年・2016年はそれぞれ、男性で70.42年、71.19年、72.14年、女性で73.62年、74.21年、74.79年だった。男女とも延びており、10年間に男性で2.87年、女性で1.95年、それぞれ延伸した。
「日常生活に制限のある期間」は、2010年・2013年・2016年はそれぞれ、男性で9.22年、9.01年、8.84年、女性で12.77年、12.40年、12.34年だった。男女とも短くなっており、10年間に男性で0.63年、女性で0.71年、それぞれ短縮した。
男性で0.63年、女性で0.71年短縮

健康寿命が男女で延伸 都道府県別1位は?
健康寿命を都道府県別でみると、1位は男性で山梨の73.21歳、女性は愛知の76.32歳。1位と46位を比べると男性2.00年、女性2.70年の差がある。
2位以下は、男性は埼玉 73.10歳、愛知 73.06歳、岐阜 72.89歳、石川 72.67歳。女性は愛知 76.32歳、三重 76.30歳、山梨 76.22歳、富山 75.77歳、島根 75.74歳となっている。


介護保険サービス利用者の増加の抑制
「介護保険サービス利用者の増加の抑制」については、第2号被保険者数に占める要介護(要支援)認定者の割合(認定率)は、2012年の17.6%に対し2015年は17.9%、2016年は17.9%と微増にとどまった。
第1号被保険者あたり給付費は2012年の26万3,000円に比べ2015年度は26万9000円と増加し、2014年度は27万円と比べ微減にとどまっている。
また、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を認知している国民の割合は、2012年調査結果に比較して2.7倍に上昇している。
「低栄養傾向」(BMI20以下)の高齢者の割合については、65歳以上を対象として低栄養傾向の高齢者の割合が、自然増により見込まれる割合(22%)を上回らないことを目標としており、2010年のベースライン値から2016年の直近の実績値に至るまで目標値を越えていないことも明らかになった。
しかし年齢別にみると、85歳以上の高齢者のやせの割合は高く、高齢者人口のうち75歳以上高齢者の占める割合も今後増加すると予測されている。
第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会(厚生労働省 2018年3月9日)
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