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認知機能を高める健康法とは? 日本医師会が推奨「一・十・百・千・万」

 「年齢を重ねても、いつまでも若々しくいたい」と思っていても、数ある健康法のどこから手を付けたら良いかと迷う人は多い。そうした人向けに日本医師会は、高齢者の認知機能を低下させない健康法をホームページで紹介した。
健康のための「一、十、百、千、万」
 日本医師会は3月2日付けの読売新聞に、「今日からできる がんばらない健康法」と題し、意見広告を掲載した。

 高齢者の健康法「一読、十笑、百吸、千字、万歩」を提唱しているのは、杏林大学名誉教授の石川恭三氏。石川氏は、専門の循環器・心臓病に限らず幅広く活躍しており「よく耳にする健康法であっても、頭の芯で理解し実践している人は少ない。よく理解して、"今さら始めるのは"と躊躇せずに、今すぐ実行することが大切」と言う。

一読:1日1回は文章を読もう

 1日1回は文章を読み、認知機能を刺激しよう。
 新聞でも雑誌でも本でも、好きなものを選んで読むことで、認知機能がアップする。

十笑:1日10回笑おう

 1日に少なくとも10回は笑うようにしよう。笑う回数が多い人ほど、認知機能が下がるリスクが減るという報告がある。
 また、笑うと免疫力が高まり、がんの発症予防や進行を抑える効果があるとされている。

百吸:1日100回深呼吸しよう

 1日に少なくとも100回は深呼吸しよう。深呼吸すると、副交感神経の緊張が高まり、神経の高ぶりがおさまり、ストレス解消にもつながる。
 深呼吸することで脈拍は遅くなり、血圧は下がり、筋肉の緊張が低下し、動脈中の酸素が増加する。

千字:1日に1,000字は文字を書こう

 こまめに文字を書くことは、頭を使い、認知症予防につながる。
 日記をつけたり、手紙を書いたり、メモをとるなどして、こまめに文字を書くことが大切だ。ただし、文字を書くときは、ときには辞書を引き、できるだけ漢字を使うのがコツとなる。

万歩:1日に1万歩を目指して歩こう

 足は第二の心臓とも言われ、歩くことで下肢にたまっている血液が心臓に戻りやすくなる。1日に1万歩は歩こう。
 ウォーキングは、メタボリックシンドロームの予防や改善に良いだけでなく、脳を刺激し、記憶力を高め、認知症の予防効果もある。
 また、骨に加重をかけることで骨芽細胞を刺激し、破骨細胞の働きを抑制し骨粗鬆症の予防にもなる。

 「一読、十笑、百吸、千字、万歩」は、石川恭三氏が中高年を対象に、健康維持と認知症予防の心得とし長年推奨してきた言葉だ。

 超高齢社会を迎えた日本では、いかに健康寿命を延ばすかが大きな課題となっている。石川氏は、毎日チェックして「何を足していけば良いか」を考えるようアドバイスしている。

日本医師会
[Terahata]
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