敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
Discussion ―フロアとの質疑応答―
―― NGALとL-FABPの保険適用について教えてください。
野入先生 NGALはAKIに対して3回まで算定できます※。L-FABPは腎障害が疑われる時点で使えるので、AKIに限らず糖尿病性腎症のようなCKDでも使えます。CKDでは3カ月に1回算定でき、AKIではNGALに準じますが、症状詳記によりそれ以上認められることもあります。小室先生のご講演にNGALとL-FABPを併用するお話がありましたが、保険診療で算定できるのは一方のみですので、DPC病院ならともかく、そうでない場合は難しいかもしれません。
―― L-FABPの定量を外注すると何日ぐらいで帰ってくるのでしょうか?
野入先生 受託業者によるのですが、1~3日だと思います。ただしL-FABPには複数の測定系があり、院内の一般的な汎用自動分析装置で測定できる系(積水メディカル製)もあります。
※NGALの算定条件:急性腎障害の診断時又はその治療中に、CLIA法により測定した場合に算定できる。ただし、診断時においては1回、その後は急性腎障害に対する一連の治療につき3回を限度として 算定する。なお、医学的必要性からそれ以上算定する場合においては、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
参考文献
1) J Am Coll Cardiol 59:246-255,2012
2) Crit Care Med 43:e269-275,2015
3) Crit Care Med 42:878-885,2014
4) Kidney Int 73:465-472,2008
5) Am J Kidney Dis 47:439-444,2006
6) Kidney Int 73:465-472,2008
7) Biomarkers 18:95-101,2013
8) Shock 31:454-459,2009
初 出
第45回 日本集中治療医学会 学術集会 教育セミナー23第10会場
(幕張メッセ国際会議場 1F 105)
演題:敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
司会:東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 野入 英世 先生
演者:医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院 麻酔科・集中治療部
(現在:自治医科大学附属さいたま医療センター 集中治療部) 小室 哲也 先生
共催:積水メディカル株式会社、シミックホールディングス株式会社
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