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「歯周病」に対策 3ヵ月のプロジェクトでタクシー乗務員を意識改革
2018年06月06日

タクシー乗務員をはじめとする運輸・通信に携わる職業に就く人は、歯周病リスクが高いという。サンスターグループ オーラルケアカンパニーは、タクシー乗務員に歯周病予防の習慣作り取り組んでもらうプロジェクトを開始した。
運輸・通信に携わる職業に就く人は歯周病リスクが高い
サンスターは、口内の健康を見直し、積極的なオーラルケア・歯周病の予防を喚起するために、昨年11月8日の「いい歯の日」から「エブリデイ ガム」(Everyday G・U・M)キャンペーンを開始。今回のプロジェクトはその一環として行っている。
愛知学院大学、三重大学の共同研究グループの研究によると、タクシー乗務員をはじめとする運輸・通信に携わる職業に就く人は、そのライフスタイルの影響により歯周病リスクが高いという。
そこで同社は、タクシー乗務員の歯周病予防を促進するため、都内大手タクシー会社の日本交通と日本初の共同プロジェクトを開始。オーラルケアセミナーを行い歯周病予防の重要性や各種オーラルケア製品の使用法の説明を行った。
一般財団法人サンスター財団歯科衛生士によるセミナーでは、歯周病予防の重要性や歯周病と全身疾患との関わりについて解説。同財団の20代~50代の男女3万6,086人を対象とした調査では、むし歯・歯周病の罹患者数は、1日3回歯をみがく人に比べ1回のみの人では1.6~1.7倍、就寝前に歯をみがかない人では1.4~1.5倍が多いという。
その後、ガムブランドのハブラシ、デンタルリンス、歯間ブラシ、デンタルフロス、口内・のど殺菌スプレーなどを渡し、それらを使った毎日のケアを参加者の意思で約3か月間実践してもらった。
関連情報
3ヵ月のプロジェクトで歯周病への意識を改革
3ヵ月後、参加者を対象に、プロジェクトの前後の口腔内環境、健康意識などをアンケート調査したところ、歯周病予防と口腔衛生への行動の変化と意識の向上がみられた。
口腔環境の変化やオーラルケアに対する行動の変化があらわれ、「職場や外出先で歯をみがく」と回答した人が11%増加、「夜寝る前に歯をみがく」と回答した人が13%増加した。
特に半数以下だった歯間ブラシまたはフロスの使用率は42%に増加した。これは、ハブラシによるブラッシングだけでは、歯と歯の間の歯垢を十分に除去できないことを説明したことが影響している。
また、職場や外出先で歯をみがく人が11%増加し、 毎日夜寝る前に歯をみがく人が13%増加するなど、歯みがきの習慣や日常生活の行動の変化が多くみられた。
さらに、自宅でのケアだけではなく歯科医院への通院に対する意識にも変化がみられた。「「歯周病は自覚症状がほとんどないままに進行します。歯科医院での定期的な健診や、少しでも異変を感じたらすぐに歯科医院を受診しましょう」と解説したところ、歯みがき指導を受けるという人が13%増加し、歯科で定期健診を受けるという人が6%増加した。
デンタルフロス、歯間ブラシの併用を奨励
プロジェクト終了後には参加者からは「歯の健康の重要さを知り、意識が高まった」「歯科医院での定期健診を心がけたい」「今後も継続してケアしていきたい」といった声が聞かれたという。
指導を行った岡山大学病院予防歯科の入江浩一郎氏は「歯周病の対策には歯垢を除去することが重要です。ハブラシによるブラッシングだけでは、歯と歯の間の歯垢の61%しか除去できず、フロスの併用で79%、歯間ブラシの併用で85%まで除去できるという報告があります」と解説している。
また、歯間を清掃することで唾液の通り道が作られ、自浄作用もアップする。「ハブラシだけでは十分ではないことを意識し、デンタルフロス、歯間ブラシの併用による積極的な対策をお勧めします」と指摘している。
G・U・M(サンスターグループ オーラルケアカンパニー)
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