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市内の全小中学校で実施、「坂戸食育プログラム」の調査結果を公表
2019年06月28日

埼玉県坂戸市の全小・中学校における「坂戸食育プログラム」の成果と今後の課題をまとめた論文(女子栄養大学/衛藤久美、中西明美、藤倉純子、松下佳代、田中久子、香川明夫、武見ゆかり)がこのほど、日本公衆衛生雑誌66巻5号※で発表された。 研究によると、同プログラムが教員の食育への関心を高めることなどに役立っていることが分かった。
※公衆衛生活動報告 埼玉県坂戸市における全小・中学校共通実施の「坂戸食育プログラム」の成果と課題(日本公衆衛生雑誌. 2019年66巻5号 p.252-266.)
3つの具体的な目標
坂戸市は女子栄養大学と協働し、2006年度から「坂戸市立小・中学校食育推進委員会」を立ち上げ、児童生徒の健康と食生活の向上を目指した「坂戸食育プログラム」に取り組んでいる。
食育プログラム全体の狙いは「望ましい食習慣を身につけ、心身ともに健康な児童・生徒を育成する」ことで、①充実した朝食をとろう ②健康を考え、バランスの良い食事をとろう ③みんなで楽しく食事をしよう―の3つが具体目標(行動目標)。
これらの目標を達成するため、オリジナル・キャラクター「さかどん」を教材に活用するなどしながら、各学年の学習内容が考案された。
教員と児童、両者に効果あり
今回とりまとめられた活動報告では、2006年度から2014年度に実施された調査データをもとに評価が行われた。
このうち小学校での調査4年目と中学校での調査2年目に、教員へ授業実施状況について尋ねた結果では、指導案通り「実施できた」クラスは7割以上、教材を「すべて使用した」クラスは8割以上、学習内容を児童生徒たちが「ほぼ理解できた」クラスも5割以上だった。
また、小学校の教員と中学校の男性教員のうち、研修会参加や授業実施経験がある教員は「食育への関心が高くなった」と答えた割合が高かった。
一方、児童生徒の学習効果について、4年間の食育プログラムの学習効果はみられなかったが、各学年の食育プログラム学習前後で、具体目標として掲げていた「②健康を考え、バランスの良い食事をとろう」に関する食態度が改善していた。また終了後調査では、9割以上の中2生が食育プログラムを「学習してよかった」と回答した。
論文では、これらの結果を踏まえ、食育プログラムは教員の食育への関心を高めることに役立っていることが示唆された、としている。また児童生徒も「健康を考え、バランスの良い食事をとる」ことに関する食態度で有意な変化が見られたことなど、一定の効果はあったとしている。
今後も継続的な食育プログラムの実施体制を推進していくほか、学校を拠点とし、児童生徒の家族等他世代へも波及するような食育の検討も進めていく考え。
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