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糖尿病を予防するための6つの生活スタイル 糖尿病の発症が75%減少 100万人超を調査

健康的な生活スタイルを実行することで、2型糖尿病のリスクを75%減少できることが、米国、アジア、欧州、オセアニアの100万人以上を対象とした研究で明らかになった。
生活スタイルを改善することで、糖尿病合併症のリスクも大幅に減少できる。
生活スタイルを改善することで、糖尿病合併症のリスクも大幅に減少できる。
糖尿病をコントロールするための6つの生活スタイル
世界糖尿病連合(IDF)の調査によると、世界の糖尿病人口は4億6,300万人で、毎年2,200万件が新たに糖尿病を発症している。食事・運動・体重管理などの健康的な生活スタイルにより糖尿病を改善できることが、多くの研究で確かめられている。
生活スタイルを改善することで、糖尿病の治療をより良く行えるようになり、糖尿病予備群と指摘された人は発症を防ぐことができる。しかし、米国医師会(AMA)によると、米国の糖尿病予備群の10人中9人は、自分に糖尿病のリスクがあることを知らず、何も対策していない。
AMAは、糖尿病をコントロールするための6つの生活スタイルを提案している。
1. 健康的な食事 |
2. 運動をする |
3. 検査と治療を受ける |
4. ストレスをコントロールする |
5. タバコを吸わない |
6. アルコールに注意 |
健康的な生活スタイルにより糖尿病リスクが75%減少

生活を改善すれば合併症のリスクも大幅に減少
すでに2型糖尿病を発症していた人は3万4,385人で、ベースラインでの平均年齢は46〜69歳、平均追跡期間は4~21年だった。
そのうち、もっとも健康的な生活スタイルをもつ人は、そうでない人に比べ、全死因の死亡リスクを56%、心疾患の死亡のリスクを49%、がんの死亡リスクを31%、心疾患を発症するリスクを52%、それぞれ低下できることが示された。
生活がほんとうに健康的な人は実際には少数
一方で、もっとも健康的な生活スタイルをもつ人は全体の14%しかいなく、もっとも不健康な人も11%に上った。「多くの人で、生活スタイルを改善する大きな余地があります。できることはまだ沢山あるのです」と、パン教授は言う。
「各国の糖尿病学会は健康的な生活スタイルを奨励していますが、ほとんどの国で実行している人は少数であることが分かりました。特定の生活スタイル要因に取り組むのではなく、全体的な取組みを促進することを、すべての国の公衆衛生の優先課題にするべきです」。
国連は、糖尿病などの非感染性疾患(NCD)による早期死亡率を減少するために、2030年までに達成するべき目標を掲げている。「2型糖尿病患者の合併症を防ぐために、健康的な生活スタイルの選択を促進することが必要です。各国政府はそうした取り組みを持続可能なものにするためにすぐに対策するべきです」と、パン教授は強調している。

Healthiest lifestyle linked to 75% reduction in diabetes risk, and a reduced risk of cardiovascular disease and death in those already with diabetes(Diabetologia 2019年9月5日)
Combined lifestyle factors and risk of incident type 2 diabetes and prognosis among individuals with type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies(Diabetologia 2019年9月4日)
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