ニュース
糖尿病を予防するための6つの生活スタイル 糖尿病の発症が75%減少 100万人超を調査
2020年01月15日

健康的な生活スタイルを実行することで、2型糖尿病のリスクを75%減少できることが、米国、アジア、欧州、オセアニアの100万人以上を対象とした研究で明らかになった。
生活スタイルを改善することで、糖尿病合併症のリスクも大幅に減少できる。
生活スタイルを改善することで、糖尿病合併症のリスクも大幅に減少できる。
糖尿病をコントロールするための6つの生活スタイル
世界糖尿病連合(IDF)の調査によると、世界の糖尿病人口は4億6,300万人で、毎年2,200万件が新たに糖尿病を発症している。食事・運動・体重管理などの健康的な生活スタイルにより糖尿病を改善できることが、多くの研究で確かめられている。
生活スタイルを改善することで、糖尿病の治療をより良く行えるようになり、糖尿病予備群と指摘された人は発症を防ぐことができる。しかし、米国医師会(AMA)によると、米国の糖尿病予備群の10人中9人は、自分に糖尿病のリスクがあることを知らず、何も対策していない。
AMAは、糖尿病をコントロールするための6つの生活スタイルを提案している。
1. 健康的な食事 |
2. 運動をする |
3. 検査と治療を受ける |
4. ストレスをコントロールする |
5. タバコを吸わない |
6. アルコールに注意 |
健康的な生活スタイルにより糖尿病リスクが75%減少

生活を改善すれば合併症のリスクも大幅に減少
すでに2型糖尿病を発症していた人は3万4,385人で、ベースラインでの平均年齢は46〜69歳、平均追跡期間は4~21年だった。
そのうち、もっとも健康的な生活スタイルをもつ人は、そうでない人に比べ、全死因の死亡リスクを56%、心疾患の死亡のリスクを49%、がんの死亡リスクを31%、心疾患を発症するリスクを52%、それぞれ低下できることが示された。
生活がほんとうに健康的な人は実際には少数
一方で、もっとも健康的な生活スタイルをもつ人は全体の14%しかいなく、もっとも不健康な人も11%に上った。「多くの人で、生活スタイルを改善する大きな余地があります。できることはまだ沢山あるのです」と、パン教授は言う。
「各国の糖尿病学会は健康的な生活スタイルを奨励していますが、ほとんどの国で実行している人は少数であることが分かりました。特定の生活スタイル要因に取り組むのではなく、全体的な取組みを促進することを、すべての国の公衆衛生の優先課題にするべきです」。
国連は、糖尿病などの非感染性疾患(NCD)による早期死亡率を減少するために、2030年までに達成するべき目標を掲げている。「2型糖尿病患者の合併症を防ぐために、健康的な生活スタイルの選択を促進することが必要です。各国政府はそうした取り組みを持続可能なものにするためにすぐに対策するべきです」と、パン教授は強調している。

Healthiest lifestyle linked to 75% reduction in diabetes risk, and a reduced risk of cardiovascular disease and death in those already with diabetes(Diabetologia 2019年9月5日)
Combined lifestyle factors and risk of incident type 2 diabetes and prognosis among individuals with type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies(Diabetologia 2019年9月4日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2022 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2021年12月21日
- 特定健診・保健指導の効果を10年間のNDBで検証 体重や血糖値が減少し一定の効果 ただし体重減少は5年後には減弱
- 2021年12月21日
- 【申込開始】今注目のナッジ理論、感染症に関する教材が新登場!遠隔指導ツールも新作追加! 保健指導・健康事業用「教材・備品カタログ2022年版」
- 2021年12月13日
- 【新型コロナ】ファイザーのワクチンの3回目接種はオミクロン株にも効く? 抗体価は半分に減るものの2回接種より25倍に増加
- 2021年12月09日
- 保健師など保健衛生に関わる方必携の手帳「2022年版保健指導ノート」
- 2021年11月16日
- 思春期に糖質を摂り過ぎると成長後にメンタルヘルスに悪影響が 単純糖質の摂り過ぎに注意が必要
- 2021年11月09日
- 【世界糖尿病デー】東京都「今日から始めよう!糖尿病予防」キャンペーン 都民の4人に1人は糖尿病かその予備群
- 2021年11月08日
- 肥満のある人・肥満のない人の両方に保健指導が必要 日本人4.7万人の特定健診データを解析
- 2021年11月02日
- 【新型コロナ】ワクチン接種はコロナ禍を終わらせるための重要なツール 50歳以上で健康やワクチンに対する意識が上昇
- 2021年11月02日
- 健診や医療機関で腎臓の検査を受けていない高齢男性は透析のリスクが高い 7万人弱を5年間調査
- 2021年10月26日
- 「特定健診受診率向上プロジェクト」を実施 大阪府と大阪府立大学看護学科が協働 特定健診の対象者に合わせた効果的な受診勧奨
最新ニュース
- 2022年05月23日
- 【新型コロナ】保健師がコロナ禍の拡大を食い止めている 保健師の活動が活発な地域では罹患率は減少
- 2022年05月23日
- 【新型コロナ】起床・朝食が遅くなった子供で運動不足や栄養バランスの乱れが 規則正しい食事・睡眠が大切
- 2022年05月23日
- 【新型コロナ】コロナ禍で結婚数と出生数が減少 将来に対する不安や経済的な悩みが原因?
- 2022年05月23日
- 【子宮頸がん】HPVワクチンの予防効果は優れている 接種9年後の感染率は0% ワクチンの有効率は100%
- 2022年05月23日
- 余暇に軽い身体活動をするほど健診結果は良くなる 活動量の実測データにもとづく世界初の研究
~保健指導・健康事業用 教材~
-
アイテム数は3,000以上! 保健指導マーケットは、健診・保健指導に役立つ教材・備品などを取り揃えたオンラインストアです。 保健指導マーケットへ