ニュース
薬剤耐性に関する世論調査を公表―13%の人が抗生物質を医師等の指示通りに飲まないと回答
2020年01月27日

「指示通り飲まないことがある」という人が約13%も
同調査は薬が効かない(薬剤耐性)感染症に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とすることを目的に実施。全国18歳以上で無作為に抽出された3,000人を対象に2019年8、9月かけて個別面接形式で調査し、1,667人から有効回答を得た。
調査ではまず「抗生物質の理解度」について質問。「抗生物質」については約66%の人が「細菌が増えるのを抑える」ことを知っていると回答した。
一方、「風邪やインフルエンザなどの原因となるウイルスには効かない」と知っている人の割合は約38%にとどまったほか、「名前を聞いたことはあるが、どういうものかは知らない」とした人も約13%いて、抗生物質の正しい知識を普及、啓発させていく必要性が露呈した。

抗生物質について正しい知識の普及・啓発が重要
薬剤耐性の理解度についてどの程度知っているか聞いた設問では、「知っている」とする人が49.9%で「知らない」と答えた人の48.7%をわずかに上回った。
知っている内容は「感染症を起こす菌に抗生物質が効かなくなる」が約76%、「抗生物質を正しく飲まないと、薬剤耐性菌が体の中で増えるおそれがある」が約54%、「日本だけでなく、世界中で薬剤耐性菌が見つかっている」が約38%などとなっている。
薬剤耐性菌を増やさないために心がけていることとしては「抗生物質は医師や薬剤師の指示通り飲み切る」を挙げた人が約69%と最も多く、次いで「手洗い、マスクをつけるなどの感染症予防対策」(約54%)、「抗生物質を他人にあげたり、他人からもらったりしない」(約40%)、「むやみに抗生物質の処方を希望しない」(約30%)などだった。
国は2020 年の人口千人あたりの一日抗菌薬使用量を 2013 年の水準の3分の2に減少させることなどを盛り込んだ「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」を推進しており、引き続き正しい知識と使用の普及・啓発に努めていきたい考え。
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「健診・検診」に関するニュース
- 2025年06月02日
- 肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
- 2025年05月20日
-
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化 - 2025年05月16日
- 高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
- 2025年05月16日
- 【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
- 2025年05月12日
- メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
- 2025年05月01日
- ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】
- 2025年05月01日
- 【デジタル技術を活用した血圧管理】産業保健・地域保健・健診の保健指導などでの活用を期待 日本高血圧学会
- 2025年04月17日
- 【検討会報告】保健師の未来像を2類型で提示―厚労省、2040年の地域保健を見据え議論
- 2025年04月14日
- 女性の健康のための検査・検診 日本の女性は知識不足 半数超の女性が「学校教育は不十分」と実感 「子宮の日」に調査
- 2025年03月03日
- ウォーキングなどの運動で肥満や高血圧など19種類の慢性疾患のリスクを減少 わずか5分の運動で認知症も予防