ニュース
男性患者向け外見ケアのガイドブック「NO HOW TO」を作成 国立がん研究センター中央病院
2020年02月20日
国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)はこのほど、男性向けとしては初めてとなるアピアランス(外見)ケアのガイドブック『NO HOW TO(ノーハウツー)』を作成、公開した。
がんやがん治療による外見の変化で生じる苦痛を軽減する「アピアランスケア」について、情報が少ない男性患者に向けた内容で、女性患者にとっても参考になる内容となっている。ガイドブックはウェブサイトで閲覧できる。
外見に関わるつらさを軽減するアピアランスケア
がんやがん治療では脱毛や肌色の変化、皮疹、爪の変化、手術跡、部分欠損などで、外見に変化が起こることがある。外見の変化を気にして他人との関わりを避けたり、外出を控えがちになる人もいる。
そのため国立がん研究センター中央病院では、「がんやがん治療による外見の変化がつらい、不安だ」と感じている患者の相談に応じる部門としてアピアランス支援センターを設立。医師や看護師、薬剤師、臨床心理士、美容専門家などが連携し、治療中も安心して過ごせるようサポートしている。
一方、アピアランスケアを「医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化を補完し、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケア」と定義。もし治療で外見が変化しても、自分自身が気にならなければアピアランスケアを行わず、そのまま過ごしても問題はないと考えている。
また必ずしも「治療前と同じ姿に戻ること」ではなく、周りの人のことが気にならず、自分らしさを実感できる姿になり、患者の外見に関わるつらさを軽くすることを目指している。
男性向けのアピアランスケアガイドブック「NO HOW TO」
そのような中、同病院では女性患者に比べて情報の少ない男性向けにアピアランスケアガイドブック「NO HOW TO」を作成。
外見の変化で直面する仕事や人間関係、気持ちや生き方など、さまざまな問題への対処について男性患者の生の声を多数紹介している。
「NO HOW TO」PDF版
考え方やライフスタイルは人それぞれであることから、自分なりの向き合い方やケアの方法を選べるよう、多様なヒントやアイデアを掲載するなど工夫。脱毛や皮膚の色素沈着、手術跡など外見ケアの基本的な対処方法についての医療者の解説なども加えた。
ガイドブックはA5版、全68ページで、同病院で治療を受けてきた患者からの寄付を活用して作成。同病院アピアランス支援センターのHPでも閲覧できる。
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「がん」に関するニュース
- 2024年04月22日
- 【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
- 2024年04月09日
- 子宮の日 もっと知ってほしい子宮頸がんワクチンのこと 予防啓発キャンペーンを展開
- 2024年03月25日
- 【乳がん検診】40歳になったら毎年受けるとリスクは最小限に 乳がん検診は進歩している
- 2024年03月18日
- がん予防で1兆円超の経済負担を軽減 生活スタイルや環境の改善が必要 子宮頸がんはHPVワクチンで予防できる
- 2024年03月05日
- 業態別の健康課題を見える化 「働き世代の健康データブック」を公開 企業の健康経営を支援 協会けんぽ京都支部
- 2024年03月05日
- 【横浜市】がん検診の充実などの対策を加速 高齢者だけでなく女性や若い人のがん対策も推進 自治体初の試みも
- 2024年03月04日
- 中年成人の肥満・メタボの解消にオンラインの保健指導が役立つ 社会的サポートは多ければ多いほど嬉しい
- 2024年02月16日
-
「HPV検査単独法」子宮頸がん検診に4月から導入
厚生労働省「がん検診検討会」より - 2024年02月13日
- 早期の腎臓病の段階から医療費は増加 健診受診者の5.3%が早期慢性腎臓病 就労世代8万人の健診データを分析
- 2024年02月05日
- 大腸がんは早期発見でほぼ100%治療できる 検査や治療は進歩 検診を受けることが大切