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感染症対応や新しい働き方を踏まえた過労死防止の対策を~大綱の変更を閣議決定

 厚生労働省がまとめた「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の見直し案がこのほど、閣議決定された。大綱は3年ごとに改正されており、変更は2回目。

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対応や働き方の変化を踏まえ、過労死の防止対策を進めることなどが盛り込まれている。

新しい働き方のテレワークや副業等についても周知・啓発を

 政府は「過労死等防止対策推進法」で、過労死等防止のための対策を効果的に推進するため大綱を定めると規定。厚生労働省には、労働者遺族や労使などで構成される「過労死等防止対策推進協議会」が設置され、おおむね3年を目安に大綱の見直しを行っている。

 今回の見直しでは、従来の基本的な枠組みは維持しつつ、新型コロナウイルス感染症への対応や働き方の変化などを踏まえ、過労死防止対策の課題や施策を盛り込んだ。具体的には、感染症拡大に伴う医療現場などでの過重労働を防止することや、新しい働き方であるテレワークや副業・兼業、フリーランスについてガイドラインの周知、啓発を行うことなどが明記されている。

 主な取り組み例としては、勤務間インターバル制度の導入やメンタルヘルス対策の取り組みが進んでいない中小企業に対する支援▽調査研究への新しい働き方や社会情勢の変化に応じた対象の追加▽調査研究成果を活用した過労死等防止対策のチェックリストの開発▽過労死で親を亡くした遺児をサポートするための相談対応の実施―などを挙げた。

 数値目標についても従来の大綱の内容を一部、更新した。例えば令和7年までに「週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下にする」と設定。

 また労働者30人以上の企業のうち、「勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を5%未満」、「勤務間インターバル制度を導入している企業割合を15%以上」とする目標を令和7年までに達成するとした。公務員についても必要な取り組みを推進する。

 厚労省は新たな大綱に基づき、関係省庁と連携しながら過労死ゼロを目指していく方針。

[yoshioka]
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