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近くにファストフード店があると肥満や糖尿病になりやすい? ファストフードの栄養は30年間で悪化
2021年11月16日

ファストフードの栄養は、30年間で悪化しているという調査結果が発表された。
健康的なメニューも出てきたが、カロリー、サイズ、塩分含有量などは全体的に悪化しているという。
ファストフード店の多い地域では、2型糖尿病の発症リスクが高い傾向があることも分かった。
「健康的なメニューを増やし、消費者が選択しやすくする工夫が必要です」と研究者は指摘している。
健康的なメニューも出てきたが、カロリー、サイズ、塩分含有量などは全体的に悪化しているという。
ファストフード店の多い地域では、2型糖尿病の発症リスクが高い傾向があることも分かった。
「健康的なメニューを増やし、消費者が選択しやすくする工夫が必要です」と研究者は指摘している。
ファストフードは低栄養で高カロリー?
ファストフードは、短時間で調理され、注文してからすぐ食べられる、手軽な食事のこと。ハンバーガー、フライドチキン、フライドポテト、ピザ、ドーナツなど、さまざまなメニューがある。
ファストフードは米国で1950年代に登場し、世界の食文化を劇的に変えた。日本でも利用者はこの30年間で大幅に増えた。
「ファストフードの普及は、費用対効果と時間の節約をもたらしましたが、その代償として低栄養と高カロリーの食事の摂取の増加をもたらしました」と、ボストン大学公衆衛生学部のミーガン マクロリー氏は言う。
「ファストフードのメニューは、30年間で3倍近くに増えました。ファストフードにも健康的なメニューはありますが、カロリー、サイズ、塩分含有量などの栄養は、全体的にはむしろ悪化しています」としている。
30年前よりカロリーと塩分は増えているという結果に
ファストフードのポーションサイズは30年間で増えた

ファストフードにも変化が求められている
ファストフードのカロリーと塩分が増えていることは、肥満や2型糖尿病、高血圧、脂質異常症の予防・改善の観点からみると好ましくない。
世界的に肥満や2型糖尿病の増加は深刻な問題になっており、食事スタイルをいかに改善するかが課題になっている。「消費者が自分の健康について関心をもち、健康的な選択をしやすくする工夫が必要です」と、マクロリー氏は強調している。
「ファストフードのメニューにカロリーや栄養の表示をする店が増えてきたのは歓迎しますが、その数は十分ではありません。サイズを小さくし価格も安くしたメニューを増やしたり、野菜を増やすなど、もっと変化が必要です」としている。
自宅そばにファストフード店があると糖尿病になりやすい?

Fast Food Restaurants Have Expanded More Than Their Menus(ボストン大学 2019年2月27日)
Thirty years of fast food: Greater variety, but more salt, larger portions, and added calories(Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics 2019年2月27日)
High Availability of Fast-Food Outlets Across All U.S. Neighborhood Types Linked to Increased Type 2 Diabetes(ニューヨーク大学医療センター 2021年10月29日)
Longitudinal Analysis of Neighborhood Food Environment and Diabetes Risk in the Veterans Administration Diabetes Risk Cohort(JAMA Network Open 2021年10月29日)
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