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「食育健康サミット2022」を無料配信 働き盛りのミドル世代の健康を日本型食生活で支える 日本医師会など2月28日まで

 日本医師会と米穀安定供給確保支援機構は、生活習慣病の予防・治療でのごはんを主食とした日本型食生活の有用性などについて考える、「食育健康サミット」を毎年開催している。

 2022年度のテーマは、「生活習慣病を中心としたミドル世代の健康マネジメント~日本型食生活の意義と活用~」。オンラインで2023年2月28日まで無料配信を行っている。

 サミットは、医師や管理栄養士などを主な対象としているが、誰でも視聴できる(視聴には事前登録が必要)。

日本人のライフステージにそった保健指導 日本型食生活で支える

 日本医師会と米穀安定供給確保支援機構は、食育健康サミット「生活習慣病を中心としたミドル世代の健康マネジメント~日本型食生活の意義と活用~」の配信を、2023年2月28日まで無料で行っている。

 ポストコロナ時代での「新しい生活様式」のもとでは、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防などへの対応にも、新たな視点が必要になっている。サミットでは、健康寿命の延伸、生活習慣病をはじめとする動脈硬化性疾患の予防などのため、日本人のライフステージにそった健康課題をとりあげ、日本型食生活の果たす役割について専門家や識者が講演している。

 今回は、とくに生活習慣病やメタボの予防などに関係の深い"働き盛りのミドル世代(30歳代半ば~60歳代前半)"に焦点をあて、コロナ禍でも問題となった、▼生活習慣病増加の背景、将来的なリスク、▼食生活・運動習慣をはじめとする生活習慣改善のポイント、▼日本型食生活の意義と活用法などについて、どのように普及・支援などを行えばよいのかを含め、疾患、生活指導、栄養・運動などの面から、医学的・栄養学的に論じている。

参加費:無料

配信期間2022年12月19日(月)~2023年2月28日(火)
主 催公益社団法人 日本医師会
公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
座 長寺本民生(帝京大学臨床研究センター センター長 / 寺本内科・歯科クリニック 内科院長)
講 師吉田 博(東京慈恵会医科大学附属柏病院 病院長/東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座 教授)
増子佳世(医療法人財団順和会赤坂山王メディカルセンター内科/国際医療福祉大学臨床医学研究センター 講師)
山﨑聖美(国立健康・栄養研究所栄養・代謝研究部時間栄養研究室 室長)
寺本民生(帝京大学臨床研究センター センター長 / 寺本内科・歯科クリニック 内科院長)
(敬称略)

詳しくは下記をご覧ください

公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構

講演1「働く世代の生活習慣病対策と食の重要性」
吉田 博 先生(東京慈恵会医科大学附属柏病院 病院長 / 東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座 教授)

 2022年版の高齢社会白書によると、日本は高齢化率28.9%であり超高齢社会にあります。健康寿命と平均寿命の差はレッドゾーンを短くすることが大切で、それこそが「健康寿命の延伸」です。
 こうした社会のなかで、働き盛りのミドル世代(30歳代半ば~60歳代前半)の健康管理が重要であることは言うまでもありません。生活習慣病の実態、とくにコロナ禍でも問題となった肥満やメタボなどは動脈硬化性疾患のリスクを高めます。
 メタボや動脈硬化の予防や治療での「食」の重要性について掘り下げ、医学的・栄養学的な見地から、とくに脂質異常症の管理に注目して理想的な食事について講演します。
 あわせて軽い症状のうちに異常に気づいて病気を予防する「未病」という考え方も紹介しながら、動脈硬化予防のための食事療法さらには健康食として期待される日本型食生活などについても取り上げます。

講演2「メタボ・ロコモ予防のための食事・運動指導の実際」
増子佳世 先生(医療法人財団順和会 赤坂山王メディカルセンター内科 / 国際医療福祉大学臨床医学研究センター 講師)

 肥満や内臓脂肪蓄積と関連するメタボリックシンドローム(メタボ)と、骨や関節、筋肉など"運動器"の問題であるロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、インスリン抵抗性などの機序を介して密接に関係していることが、近年明らかになっています。
 したがって、将来のフレイル予防の観点からも、メタボとロコモの相互関係を視野に入れ、幅広い世代を対象として、両者を予防するための啓発を行っていくことが求められています。
 我々はこれまでに「メタボ・ロコモ予防講座」と題し、医師、管理栄養士、また運動のエキスパートが協同し、高校生から高齢者まで各年代の課題に合わせてメタボ・ロコモを理解し、生活習慣を見直していただくための講座を開講してきました。
 メタボ・ロコモ予防の対策は、ともに毎日の食生活と身体活動(運動)が大きな役割を占めます。これらの習慣を見直し実践していくためには、個人個人に合った目標を立て、フィードバックしながらサポートすることが効果的と考えられます。
 医療・栄養に関わる専門職は、地域の公的機関や運動施設、教育機関などと連携し、「メタボとロコモ」の予防に向けた活動を行っていくことが望まれます。

講演3「時間栄養学で考える健康によい食べ方」
山﨑聖美 先生(国立健康・栄養研究所栄養・代謝研究部時間栄養研究室 室長)

 私たちの体内には末梢時計があり、食事によって影響を受けます。シフトワークや生活リズムの乱れは末梢時計のリズムの乱れにつながり、肥満、糖尿病など様々な疾病を引き起こすことが疫学研究から明らかにされています。
 時間栄養学とは、いつ、何を、どのくらい食べたら健康によいかを調べる研究分野です。
 摂取エネルギーが消費エネルギーより多い場合は体重が増加しますが、同じカロリーを摂取する場合、活動期のうち早い時間帯に多く摂取した方が肥満発症を予防できます。
 また、朝食抜き、夜遅い時間の食事や夜の過食はBMI増加につながります。
 ある一定の時間に3食摂取する食事時間制限についても研究が行われていますが、ヒトの健康への評価を行うにはより厳密な研究が必要とされています。
 1日3食の食事の配分としては、朝食(あるいは朝食と昼食)にタンパク質の多い食事を摂ると、除脂肪組織重量が増加し、サルコペニア予防が期待できます。
 また、朝食(あるいは朝食と昼食)に炭水化物を摂取すると糖代謝が改善され、メタボリックシンドローム発症を予防できることが報告されています。
 したがって、このような時間栄養学の観点を日々の食生活に取り入れることによって、疾病発症を予防し健康を維持することも大切です。

「サミットまとめ」
寺本民生 先生(帝京大学臨床研究センター センター長 / 寺本内科・歯科クリニック 内科院長)

 日本の疾病構造では、健康長寿社会を構築するうえで、メタボリックシンドローム(メタボ)に関連する脳血管障害や認知症予防と、ロコモティブシンドローム(ロコモ)に関連する骨折・転倒を予防することが極めて重要です。
 メタボやロコモ対策は「食と運動」という基本的な生活を見直す必要があります。
 本サミットでは、健康寿命の延伸を目的として、日本人のライフステージ(ミドル世代、子ども・若年世代、シニア・高齢世代)にそった健康課題を取り上げつつ、日本型食生活の果たす役割について改めて考えていきます。

[Terahata]

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