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地域の保健活動を支援 保健師の人材育成やアドバイスも 地域密着で運動不足を解消 慶應大学と藤沢市がタッグ
2023年04月10日
慶應義塾大学看護医療学部と藤沢市が協定を締結した。地域保健の効果的な活動を実現するため地域の健康課題に関する研究に取り組む。
データ分析にもとづく課題の抽出と活動計画の立案を行い、地域保健活動を推進する。保健師などの人材育成や、その保健活動に対するアドバイスなども行う。
これまでも、協働して保健活動に取り組んでおり、同市民の身体活動量の増加を目的としたプロジェクト「ふじさわプラス・テン」などを展開している。
地域の保健活動の推進に協働して取り組む
慶應義塾大学看護医療学部と神奈川県藤沢市は、地域の保健活動の推進に関する協定を締結した。今後は、地域保健活動の推進に向けて継続的に連携をはかる。 地域の健康課題に関する研究に取り組むほか、地域保健の効果的な活動に向けて、データ分析にもとづく課題の抽出や、活動計画の立案を行えるよう協働していく。 さらに、藤沢市に所属する保健師などの人材育成で、やりがいをもって活動できるよう、キャリアラダーに応じた現任教育も行う。保健師などの人材育成や、その保健活動に対するアドバイスなどを行う。 きっかけとなったのは、2020年に新型コロナの拡大を受けて、同看護医療学部の教員が藤沢市保健所に応援に入り、積極的疫学調査や高齢者施設のクラスター対応を支援したこと。 また、同市と同看護医療学部は、保健所での新型コロナウイルス対応の実践上の課題を分析し、その結果を学会で発表した。 これを契機に、同市の地域保健活動の推進に向けて、継続的に連携をはかりたいという双方の合意のもと、持続可能かつ地域の特性を活かした健康なまちづくりの推進に寄与するため、協定を締結した。5年間の取り組みにより高齢者の身体活動量を増やすのに成功
保健師は、地区活動や健康教育、保健指導などを通じて、地域に密着し、住民の健康を守る仕事をしている。 慶應義塾大学と藤沢市はこれまでも、協働して保健活動に取り組んでおり、2013年度からは藤沢市民全体の身体活動量の増加を目的としたプロジェクト「ふじさわプラス・テン」を実施した。 市民の身体活動量の増加を目的とした「身体活動促進プロジェクト」の5年間の取り組みにより、とくに主要ターゲット層である高齢者の身体活動量を増やすのに成功した。 プロジェクトは、厚生労働省が策定した身体活動ガイドライン「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」にある"プラス・テン(今より10分多くからだを動かそう)"をキーメッセージに、健康行動科学や普及実装科学にもとづき実施したもの。 運動に対して関心期・準備期にある高齢者を対象に、▼チラシ・リーフレット配布、ホームページなどの情報提供、▼地域のさまざまな機会で講座やイベントを実施するなどの教育活動、▼オリジナル運動プログラムの制作と講習会の実施、グループ運動の支援などのコミュニティ形成促進を実施。 市民3,000人に実施した5年後調査では、就労世代・高齢者を合わせた全体の身体活動時間は、ベースライン(86分/日)および2年後調査(90分/日)よりも有意に増加。 さらに、高齢者の身体活動時間は、20~64歳の就労世代に比べ、5年後調査で14.7分/日増えていた。
「ふじさわプラス・テン」で使用されたツールやロゴ
「ふじさわ プラス・テン」を展開 プラス10分体を動かそう!
慶應義塾大学スポーツ医学研究センターと藤沢市は、藤沢市保健医療財団とともに、オンライン動画プログラム「こそトレ!~おうちでこっそりトレーニング~」も公開している。 運動習慣のない就労世代や運動に苦手意識のある人を対象とした、自宅でスキマ時間に身体を動かせる、1回10分程度の、全6回の運動プログラムだ。 制作過程ではソーシャル・マーケティングの手法を取り入れ、「忙しい」「疲れている」「面倒くさい」などの理由で運動不足が深刻な就労世代を対象に、自宅で無理なく身体を動かせる内容になっている。 コロナ禍の長期化による影響で、運動不足や長時間の座り過ぎにより、身体や精神の健康が脅かさせる健康被害が問題になっている。 運動に意識的に取り組むことは、健康の保持・増進だけでなく、ストレス解消やうつ対策、自己免疫力を高めてウイルス性感染症を予防するためにも役立つとしている。
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慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター
A community-wide intervention to promote physical activity: A five-year quasi-experimental study(Preventive Medicine 2021年6月29日)
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