「誰一人取り残さない」第4期がん対策推進基本計画が閣議決定
がん検診受診率目標60%、デジタル化の推進
3月28日、国のがん対策の指針となる「第4期がん対策推進基本計画」が、閣議決定された。がん検診の受診率を60%に向上させることを目標にするほか、オンラインによる診療や相談支援、緩和ケアの充実など患者を支える仕組みの強化が盛り込まれている。
今後は、これを基に各都道府県でがん対策推進計画を策定する予定だ。
第4期は「誰一人取り残さない」がん対策を推進
「がん対策推進基本計画」は、2006年に成立した「がん対策基本法」に基づき、予防や診療体制、研究などの重点課題や目標を定めたもの。5~6年ごとに見直され、今回で第4期目となる。第3期における状況やその成果を検証・見直しを行い、策定された。
第4期計画ではこれまで盛り込まれていた「がん予防」「がん医療」「がんとの共生」の3つの柱とこれらを支える「基盤」を引き継ぎながら、国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の大目標である「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という表現を使い、全体目標を掲げた。そのうえで「全ての国民とがんとの克服を目指す」と国民に呼びかけている。
基本計画は、がん対策の状況や課題などその時代を映し出している。どのように変遷してきたか、第1期から「全体目標」をみると下記になる。
これまでの基本計画の全体目標
第1期 がん対策推進基本計画(2007年度~2011年度)
「がんによる死亡者の減少」
「すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上」
第2期 がん対策推進基本計画(2012年度~平成2016年度)
「がんによる死亡者の減少」
「全てのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上」
「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」
第3期 がん対策推進基本計画(2017年度~2022年度)
「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。」
- 科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実
- 患者本位のがん医療の実現
- 尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築
↓
第4期 がん対策推進基本計画(2023年度~2028年度)
「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す。」

「がん」に関するニュース
- 2023年05月08日
-
「誰一人取り残さない」第4期がん対策推進基本計画が閣議決定
がん検診受診率目標60%、デジタル化の推進 - 2023年04月04日
- 乳がん検診の「マンモグラフィ」は効果がある 革新的なマンモグラフィ検査も開発 女性の負担を軽減
- 2023年02月24日
-
がん検診発見例が減り早期がんも減少傾向だが、現時点での評価は困難
国立がん研究センター「院内がん登録全国集計」速報値より - 2023年02月09日
- 作業記録等の30年間保存が必要ながん原性物質を定める告示
- 2023年02月02日
- 「働く世代のためのがんリテラシー向上プロジェクト」が開始 働く世代はがんについて正しく学ぶ機会を持てていない
- 2023年01月23日
- 「受動喫煙」の悪影響は子供や孫の代にまで引き継がれる 危険なのはタバコの煙だけではない
- 2023年01月12日
- 初の「飲酒ガイドライン」作成へ お酒の適量や飲み方は?
- 2023年01月05日
- 「男性育休最前線」へるすあっぷ21 1月号
- 2022年12月27日
-
たばこの煙は「不快」8割超 「受動喫煙対策」半数が強化求める
―内閣府「世論調査」より― - 2022年12月20日
- 運動が腸内細菌を健康に がんリスクも低下 肥満・メタボの人はがんリスクが高いので運動を