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死亡者数は過去最小、死傷者数は過去20年で最多に〜令和4年の労働災害発生状況
2023年06月15日
死亡者数は774人で過去最小だったが、休業4日以上の死傷者数(以下、死傷者数)は132,355人と過去20年で最多だった。なお、いずれも新型コロナ感染症への罹患による労働災害は除くもの。
死傷者数は過去20年で最多となった
令和4年1月1日から12月31日までに発生した労働災害による死亡者数は774人で、前年比4人減で過去最小。一方、休業4日以上の死傷者数は長期的には減少傾向にあるが、近年増加しており、令和4年は前年比1,769人増の132,355人。過去20年間においては最多となっている。
第13次労働災害防止計画(平成30年度から令和4年度)では、平成29年との比較で令和4年までに死亡者数は15%以上の減少、死傷者数は5%以上の減少を掲げている。
死亡者数については目標値の831人に対して774人となり達成。死傷者数は平成29年の120,460人より多い人数で推移し、目標値の114,437人まで減少できなかった。
厚生労働省「令和4年 労働災害発生状況」
死亡者数の重点業種を見ると、建設業が281人(29年比13.0%減)、製造業が140人(同12.5%減)、林業が28人(同30.0%減)で、林業のみ目標を達成した。
一方、死傷者数の重点業種では、死傷年千人率で5%以上の減少を目標としている。陸上貨物運送事業が16,580人で年千人率は9.11(29年比8%増) 、小売業は16,414人で年千人率は2.37(同16%増)、社会福祉施設が12,780人で年千人率は2.85(同31%増)、飲食店が5,304人で年千人率は2.48(同15%増)となった。よって、死傷者数の重点業種はいずれも目標が未達となっている。
死傷者の事故は「転倒」が最多
死亡者における事故の型別は「堕落・転落」が234人で最も多く、「交通事故(道路)」が129人、「はさまれ・巻き込まれ」事故が115人と続く。 業種別に見ると、製造業の死亡者は機械等による「はさまれ・巻き込まれ」が56人、「墜落・転落」が23人と多い。建設業は「墜落・転落」が116人で最も多いが、「激突され」が27人で前年比42.1%増、「飛来・落下」が16人で同60.0%増と増加が目立った。
死傷者を事故の型別で見ると、「転倒」が35,295人(前年比1,623人増)で最多。次いで、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が20,879人(同103人増)、「墜落・転落」が20,620人(同665人減)となっている。
令和5年度からは「第14次労働災害防止計画」が始まっており、令和9年までに令和4年比で「建設業及び林業においてそれぞれ死亡災害を15%以上」、「製造業における機械によるはさまれ・巻き込まれの死傷者数を5%以上、陸上貨物運送事業の死傷者数を5%以上」減少させることなどを目標に掲げている。
厚生労働省では全国安全週間(7月1日~7日)とその準備月間(6月1日~30日)に合わせ、積極的な労働災害防止活動の実施を働きかけていく考え。令和5年度の「全国安全週間」スローガンは「高める意識と安全行動 築こうみんなのゼロ災職場」。
「職場のあんぜんサイト」の活用を
独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所が管理・運営をしている、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」では安全衛生に関する情報が分かりやすくまとめられている。 労働災害の事例や統計情報のほか、職場での安全衛生教育やリスクアセスメントに役立つコンテンツがそろい、積極的な活用が呼びかけられている。
「令和4年の労働災害発生状況を公表」(厚生労働省/2023年5月23日) 職場の安全を応援する情報サイト「職場のあんぜんサイト」(厚生労働省) 「安全衛生関係リーフレット等一覧」
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