ニュース
活発に体を動かしている高齢者は生活の質が高い 運動・身体活動は老化を遅らせる最適な方法
2023年07月10日

60歳以上の高齢者が、座ったまま過ごす時間を減らし、運動や身体活動に費やす時間を増やすと、生活の質が改善し、早期死亡のリスクが低下することが、英ケンブリッジ大学が、約1,500人の高齢者を対象に行った研究で明らかになった。
研究者は、▼毎日の20分の早歩き、▼サイクリング、▼ダンス、▼ガーデニング、▼テニスなど、自分のやりやすいやり方で、中強度から高強度の身体活動(MVPA)を増やすことを勧めている。
座りっぱなしの時間の多い人は立ち上がって運動を
60歳以上の高齢者は、運動や身体活動に費やす時間が減ると、生活の質が低下し、早期死亡のリスクが高まることが、英ケンブリッジ大学が、約1,500人の高齢者を対象に行った研究で明らかになった。 座ったまま過ごす時間を減らし、運動や身体活動を増やすことで、糖尿病・心疾患・脳卒中・がん・うつ病・認知症などの罹患リスクが減り、早期死亡のリスクも減少できる。 「今回の研究は、高齢者に対しても、より活動的であり続けることを奨励するための根拠となるものです。テレビを見たり、パソコンやスマホを見ていたり、読書をしたりして、座りっぱなしの時間が増えている人は、立ち上がって体を動かすことを心がけるべきです」と、同大学公衆衛生・プライマリケア学部のダラニ イェラカルバ氏は言う。運動や身体活動は減り座りっぱなしの時間は増えた
研究グループは今回、がんと栄養に関する欧州前向き研究「EPIC」に参加した60歳以上の高齢者1,433人を対象に、平均6年間追跡して調査した。 参加者に活動量計を7日間身につけてもらい、身体行動(総身体活動、中強度から高強度の身体活動(MVPA)、軽度の身体活動、座位時間、長時間の座位時間)などを評価した。 その結果、6年間で男性も女性も運動や身体活動の時間が減少しており、中強度から高強度の身体活動(MVPA)は、平均して1日に24分減少していた。 同時に、座りっぱなしの時間の合計は、男性では1日に33分、女性では38分増えていた。体をアクティブに動かす時間が多いと生活の質が向上
解析した結果、中程度から激しい身体活動が1日に1分減るごとに、生活の質のスコアは0.03低下することが分かった。そうした身体活動への参加時間が1日に15分減ると、スコアは0.45低下することになる。 一方、座って過ごす時間が短く、運動をしている時間が多い人は、生活の質を高く維持できていることも分かった。体をアクティブに動かす時間が1日に1時間多いと、生活の質のスコアは0.02高くなった。 「座りっぱなしの行動パターンが増えることは、生活の質の低下と関連していることが分かりました。最初の測定から6年後に、座りっぱなしの時間が1日に15分増えていた人は、生活の質のスコアが0.18低下していました」と、イェラカルバ氏は言う。 「これを臨床に置き換えると、運動をしている時間が多く、生活の質スコアを0.1ポイント改善すると、早期死亡のリスクは6.9%減少し、入院リスクは4.2%減少することになります」としている。座位行動を減らし体を動かすと健康上のベネフィットが
「英国国民保健サービス(NHS)は、成人に週に150分以上の中強度の運動を行うか、75分の高強度の運動を行うことを推奨しています」と、イェラカルバ氏は指摘している。 「高齢者には、座りっぱなしの時間が長時間におよぶのを防ぎ、立ち上がって、身体的に可能であれば軽い運動をすることを推奨しています」。 「今回の研究でも、座ったままの時間を減らし、体を動かすことは、高齢者にとっても明確な健康上のベネフィットをもたらすことが証明されました」としている。 「座ったまま過ごす時間を減らし、運動や身体活動を増やすことで、生活の質を改善できます。運動により、筋肉の質や量が良くなり、腰痛や変形性関節症などの症状を軽減でき、うつ病や不安症のリスクも減ります」と強調している。 研究グループは今回、健康に関連する生活の質(QOL)を測定するための評価尺度である「EQ-5D」を使い、行動と生活の質の変化について調べた。この尺度は、5項目の質問で構成されており、簡便で、調査時の参加者の負担も軽度であることが特徴となる。 さらに、高齢者の自分自身をケアする能力、不安や気分障害を含む健康と幸福の尺度、痛みや苦痛についても調べた。 Older adults who remain more active have a better quality of life, study finds (ケンブリッジ大学 2023年7月4日)Associations between change in physical activity and sedentary time and health-related quality of life in older english adults: the EPIC-Norfolk cohort study (Health and Quality of Life Outcomes June 2023年6月22日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「特定保健指導」に関するニュース
- 2025年07月28日
- 日本の「インターバル速歩」が世界で話題に 早歩きとゆっくり歩きを交互に メンタルヘルスも改善
- 2025年07月28日
- 肥満と糖尿病への積極的な対策を呼びかけ 中国の成人男性の半数が肥満・過体重 体重を減らしてリスク軽減
- 2025年07月28日
- 1日7000歩のウォーキングが肥満・がん・認知症・うつ病のリスクを大幅減少 完璧じゃなくて良い理由
- 2025年07月28日
- 【妊産婦を支援】妊娠時に頼れる人の数が産後うつを軽減 妊婦を支える社会環境とメンタルヘルスを調査
- 2025年07月22日
- 【大人の食育】企業や食品事業者などの取り組み事例を紹介 官民の連携・協働も必要 大人の食育プラットフォームを立ち上げ
- 2025年07月22日
- 高齢者の社会参加を促すには「得より損」 ナッジを活用し関心を2倍に引き上げ 低コストで広く展開でき効果も高い 健康長寿医療センター
- 2025年07月18日
- 日本人労働者の3人に1人が仕事に影響する健康問題を経験 腰痛やメンタルヘルスなどが要因 働きながら生産性低下を防ぐ対策が必要
- 2025年07月18日
- 「サルコペニア」のリスクは40代から上昇 4つの方法で予防・改善 筋肉の減少を簡単に知る方法も
- 2025年07月14日
- 適度なアルコール摂取は健康的? 大量飲酒の習慣は悪影響をもたらす お酒との良い関係
- 2025年07月14日
- 暑い夏の運動は涼しい夕方や夜に ウォーキングなどの運動を夜に行うと睡眠の質は低下?