妊婦健診の受診が少ない集団は低出生体重児の割合が多い ソーシャルサポートが大切 エコチル調査
その結果、妊婦健診の受診が少ないと低出生体重児の割合が多いことが分かった。
厚生労働省「人口動態統計」、「健康日本21(第2次)」中間評価報告書 によると、令和元年における低出生体重児(2,500g未満)の割合は9.4%。平成22年以降、9.5%前後で推移しており、主な先進国の中でも高い割合となっている。 低出生体重児の増加の要因には医学の進歩(早期産児の割合の増加)や多胎児妊娠、妊娠前の母親のやせ、妊娠中の体重増加抑制、喫煙などの因子が報告されている。
一方、2019年に行われた沖縄県の調査で、妊婦健診の受診回数が多い人の方が低出生体重児の生まれる割合が減少する、という結果がある。そのため、全国においても同様の結果が得られるかどうかを確認するため、今回の研究では、環境省が2011年から全国約10万組の子どもとその両親を対象にした大規模な疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを用いて検討した。
対象はエコチル調査に参加している妊婦とその子ども、91,916組。妊婦健診の受診状況で、妊婦健診を受けなかった(非受診)回数が「0回」から「4回」までの妊婦に分けて、低出生体重児の出生との関係を調べたところ、非受診回数が多い妊婦ほど低出生体重児の生まれる割合が高いことが分かった。
研究チームは「沖縄県を対象とした研究で示された妊婦健診の受診回数と低出生体重児割合の関係が、日本全国を対象としても同様に見出された点で重要」で、非受診を防ぐ対策が求められる、としている。
また妊婦健診を受診しない理由について明らかにするため、さまざまな要因と受診回数との関連も検討。その結果、配偶者が不在である場合や、妊娠に対する否定的な気持ちがあると妊婦健診を受診しない傾向が強まることが分かった。
そのため研究チームは「ソーシャルサポートが妊婦健診の受診を促す可能性が示唆された」と報告。ソーシャルサポートとは、社会的関係の中でやりとりされる支援のこと。研究チームはソーシャルサポートの例として、保健師や助産師が早期から妊婦に対面して要支援の妊婦を把握し、早期に支援を開始している福岡県久留米市の事例を紹介している。
そのうえで妊婦健診に対する公的支援増加など経済的な支援に加え、精神的な支援との両側面からアプローチすることが低出生体重児の減少に有効な方策と考えられる、としている。
厚生労働省でも、妊婦健診の重要性を訴え、受診を促すリーフレットを作成。啓発を進めている。
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