ニュース
肥満やメタボの解消に成功した人が共通して行っていること ダイエットは無駄にはならない 8項目の健康習慣
2023年10月11日
体重減少や体重管理に成功した人は、共通して行っていることがあることが、2万人以上を対象とした調査で明らかになった。
肥満や過体重のある人が、「減量プログラム」を取り組み、いったん体重を減らしてやせても、その後にリバウンドして、体重を増やしてしまうことが多い。
しかし、減量に取り組んだことは、決して無駄にはならない。減量後に体重が戻るパターンの人も、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクを減少する効果をえられることも示された。
体重減少に成功した人が共通して行っていること
体重減少や体重管理に成功した人は、共通して行っていることがあることが、2万人以上を対象とした調査で明らかになった。 体重減少や体重管理に成功した人に共通してみられることとして、▼食事の質が高い(良質なタンパク質をとっていて、血糖値を早く上げやすい精製された穀類や糖質の摂取は少ない)、▼運動を習慣として行っている、体を活発に動かしている、▼悪玉のLDLコレステロールの値が低い――といったことが挙げられた。 一方、体重管理が難しく肥満を解消できない人では、▼1~2ヵ月の血糖値の平均を反映するHbA1c値が高め、▼睡眠時間が短いことなどが、とくに障害になっていることが示された。体重を5%減らして心筋梗塞や脳卒中などを予防
高度の肥満のある人は、肥満症の治療薬による薬物療法などが必要になることもあるものの、肥満やメタボのある人の多くは、食事療法や運動療法に取り組み、体重を5%減らすことで、2型糖尿病や高血圧を予防・改善でき、心筋梗塞や脳卒中などの予防することが可能としている。 たとえば体重80kgの人では、体重の5%は4kg。わずかな減量で達成可能な目標であり、その効果は大きい。 「体重をわずか5%減らしただけでも、臨床的に有意な改善効果を期待できます。このことは、多くの人に希望をもたらします。5%の減量は、やる気をもって取り組めば、ほとんどの人は達成可能です」と、米オハイオ州立大学で臨床栄養学を研究しているコリーン スピース氏は言う。 研究グループは、米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した2万305人の米国成人のデータを分析した。 健診で血圧・コレステロール・血糖値などを測定するとともに、食事内容、身体活動、毎日の体重、睡眠時間、喫煙習慣、体重の変化についても調査した。いったんやせた後にリバウンドしてしまう人も減量は無駄にならない
減量プログラムに参加した人は心血管疾患や糖尿病のリスクが低下
研究グループは、124件の国際的な科学的研究を評価し、集中的な減量行動プログラムの参加した患者と、プログラムに参加しなかった患者との、心血管疾患と2型糖尿病の危険因子を比較した。 対象となった参加者の数は5万人以上で、平均年齢は51歳で、体格指数(BMI)の平均は33で、多くは肥満と判定されていた。 その結果、プログラムの参加者は平均して体重を2~5kg減らし、年間に0.12~0.32kg減らした。 集中的な減量行動プログラムに参加した患者は、参加しなかった患者に比べ、体重をより減らし、心血管疾患や2型糖尿病の危険因子が減少したことが明らかになった。 さらに、プログラムが終了した後も、その効果は数年にわたり続くことも分かった。たとえば、1~2ヵ月の血糖値の平均が反映されるHbA1c値は、1年後も5年後も0.26%低下していた。すぐに取り組める8項目の健康的な生活スタイル
1 健康的な食事
2 運動と身体活動
3 健康的な体重
体格指数(BMI)は、簡単に計算でき、広く利用できる利点があるものの、それだけでは十分ではない。内臓脂肪(へその高さで計る腰回りの大きさ)を減らすことも含めて対策する必要がある。
4 血中脂質の管理
5 血圧の管理
6 血糖の管理
7 喫煙と受動喫煙の害を避ける
8 睡眠の改善
ライフ エッセンシャル 8
米国心臓学会(AHA)が公開しているビデオ
Lifestyle changes, meds effective to prevent or delay Type 2 diabetes; no change in CVD (米国心臓学会 2022年5月23日)米国心臓学会(AHA)が公開しているビデオ
Effects of Long-term Metformin and Lifestyle Interventions on Cardiovascular Events in the Diabetes Prevention Program and Its Outcome Study (Circulation 2022年5月23日)
Behavior patterns of people who achieve clinically significant weight loss (オハイオ州立大学 2023年5月2日)
Differences in Adherence to American Heart Association's Life's Essential 8, Diet Quality, and Weight Loss Strategies Between Those With and Without Recent Clinically Significant Weight Loss in a Nationally Representative Sample of US Adults (Journal of the American Heart Association 2023年4月7日)
ライフ エッセンシャル 8 (米国心臓学会)
マイ ライフ チェック (米国心臓学会)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「特定保健指導」に関するニュース
- 2024年04月30日
- タバコは歯を失う原因に 認知症リスクも上昇 禁煙すれば歯を守れて認知症も予防できる可能性が
- 2024年04月25日
-
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠 - 2024年04月23日
- 生鮮食料品店が近くにある高齢者は介護費用が低くなる 自然に健康になれる環境づくりが大切
- 2024年04月22日
- 運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が
- 2024年04月22日
- 職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ
- 2024年04月22日
- 【更年期障害の最新情報】更年期は健康な老化の入り口 必要な治療を受けられることが望ましい
- 2024年04月22日
- 【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
- 2024年04月16日
- 塩分のとりすぎが高血圧や肥満の原因に 代替塩を使うと高血圧リスクは40%減少 日本人の減塩は優先課題
- 2024年04月16日
- 座ったままの時間が長いと肥満や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的
- 2024年04月15日
- 血圧が少し高いだけで脳・心血管疾患のリスクは2倍に上昇 日本の労働者8万人超を調査 早い段階の保健指導が必要