半数以上が「がんを抱えながら、仕事を続けることは難しい」
内閣府「がん対策に関する世論調査」より
このほど内閣府による『がん対策に関する世論調査』の結果が公表された。それによると自分ががんになった場合、治療を受けながら働き続けるのは難しいと感じている人は、いまだに5割を超えていることがわかった。
調査は今年7月から8月にかけ、全国18歳以上の日本国籍を有する者3,000人を対象に行われた。有効回収数は1,626人(有効回収率54.2%)。
9割が「がんは怖い印象」と回答
『がん対策に関する世論調査』の調査項目は、以下の6項目。2019年『がん対策・たばこ対策に関する世論調査(7月調査)』以来の調査となった。
- がんに対する印象
- がんの予防・早期発見
- がんの治療法および病院などに関する情報源
- がん医療
- がん患者と社会とのつながり
- がん対策に関する政府への要望
国立がん研究センターの『がん情報サービス』(2019年データ)によると、日本人が一生のうちにがんと診断されるのは、男性65.5%、女性51.2%と2人に1人。またがんで亡くなる人はおよそ4人に1人。
このような「がん」に対してどのような印象を持っているのか―。調査によると「怖い印象を持っている(49.3%)」「どちらかといえば怖い印象を持っている(41.0%)」と、併せて90.2%が「がんは怖い印象」を持っていると答えていた。
がん対策の世論調査は、2006年に『がん対策基本法』が施行されて以来、2007年からほぼ2年に一度の間隔で実施されている(ただし、2011年は東日本大震災、2021年は新型コロナウイルス感染症拡大のため実施していない)。
従来の調査では「怖い印象」の割合は7割強の程度で推移していた。だが、今回の調査では9割の人が「怖い印象」を持っていた。今回は調査方法が個別面接聴取法から郵送法に変わり、単純比較はできないとしているが、この結果についてがん医療関係者は予想以上に高いと受けて止めているようだ。
その理由で最も多いのが「死に至る場合がある」が81.6%。以下「痛みによる恐怖(62.6%)」「家族等への負担(58.6%)」「高額な治療費(58.6%)」と続く。
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