ニュース

【10月20日は世界骨粗鬆症デー】骨を丈夫にするためにカルシウムとビタミンDが必要 こんな人がビタミンD不足に

 10月20日は「世界骨粗鬆症デー(WOD)」だ。これは、骨粗鬆症と骨代謝の障害についての啓発を目的に制定されたもの。

 骨を丈夫にするために、カルシウムとビタミンDが必要だ。日本人の多くは、ビタミンDが不足していることが明らかになった。

 やせ志向のある若い女性で、とくにビタミンDは不足している。バランスの良い健康的な食事をして、日光を浴びることが大切だ。

骨を丈夫にするためにカルシウムとビタミンDが必要

 10月20日は「世界骨粗鬆症デー(WOD)」だ。世界保健機構(WHO)などが、骨粗鬆症と骨代謝の障害についての啓発を目的に制定したもので、世界中でキャンペーンやイベントが実施される。

 骨を丈夫にするために、カルシウムをとることが大切であることは、誰もが知っている。しかし、カルシウムを十分にとれていれば、それだけで骨が丈夫になるわけではない。

 筋肉や神経が正常に働くためには、カルシウムが一定の濃度で血液中を循環している必要があるので、食事でカルシウムを摂取するのは大切だが、腸からカルシウムが摂取されるためには、ビタミンDも必要になる。

 ビタミンDには、体内のカルシウム吸収を促して骨を増強するとともに、筋肉の合成を促す作用もあるとみられている。

関連情報

ビタミンDが十分な人は死亡リスクが低い

 食事からビタミンDを十分とれている人は、死亡リスクが低い傾向があることが、10万人近くの日本人を19年間追跡した大規模な調査で明らかになっている。

 とくに女性や、太陽光線の量の少ない高緯度地域に住んでいる人、高血圧のある人、カルシウム摂取量が多い人で、食事からのビタミンD摂取による健康効果は高いことが示された。

 カルシウムは、乳製品・大豆製品・緑黄色野菜・海藻・魚などに多く含まれる。カルシウムは乳製品から効率良くとることができる。コップ1杯の牛乳(200mL)に200mgのカルシウムが含まれている。

 また、ビタミンDの不足を防ぐために、ビタミンDを多く含む食品を食べることが大切。ビタミンDは、サバ・アジ・サケ・マグロ・サンマといった魚や、卵、チーズ、シイタケ・エリンギなどのキノコ類などに含まれている。

コツコツと毎日体操1「バランスを高める」
骨粗鬆症を防ぐために運動も大切

公益財団法人 骨粗鬆症財団が公開しているビデオ

ビタミンD不足を防ぐために日光を浴びることも大切

 ビタミンDの不足を防ぐには、日光を適度に浴びることも大切だ。紫外線を浴びることで、皮膚でビタミンDの生成が促される。1日に1回は日光を浴びたい。

 日本人の90%以上が、ビタミンDが不足している可能性があることが、東京慈恵会医科大学による大規模な調査で明らかになっている。

 研究グループは、2019~2020年に東京都内で健康診断を受けた5,518人を対象に調査を実施。

 その結果、健常人の98%が日本代謝内分泌学会・日本整形外科学会が提唱するビタミンD基準濃度に達していないことが判明した。

 さらに、測定されたビタミンDのほとんどは、動物あるいは日光由来のビタミンDであり、シイタケなどの植物由来のビタミンDはほぼ検出されなかった。

とくにやせ志向のある若い女性でビタミンDは不足

 藤田医科大学による別の研究でも、とくに若年で低体重の女性で、ビタミンDやビタミンBが足りていないことが示されている。とくに、低体重の女性の90%以上はビタミンDが足りていないという。

 若くて低体重の女性は、ビタミン欠乏を含めた栄養不足のリスクがあることが明らかになった。とくに1人暮らしの女性は、魚料理や野菜の摂取が不足しがちだという。

 研究グループは、若年女性の栄養状態に着目し、大学の教職員(20~39歳の女性1,457人)のうち、若年かつ低体重(BMI 17.5未満)が認められた健康診断受診者44人に対して、栄養評価を行った。

 「女性の低体重は、不妊、骨粗鬆症、耐糖能障害、低出生体重児などの原因になります。社会的に取り組むべき課題といえます」と、研究者は指摘している。

 「やせ願望の高い若い女性には、魚(ビタミンB12やビタミンDを含む)や野菜(食物繊維や葉酸を含む)なども豊富に含む食事をして、必要な栄養を十分にとることをお勧めします」と、研究者は指摘している。

公益財団法人 骨粗鬆症財団 多目的コホート研究「JPHC Study」(国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト)
Vitamin D intake and all-cause and cause-specific mortality in Japanese men and women: the Japan Public Health Center-based prospective study (European Journal of Epidemiology 2023年1月31日)
藤田医科大学臨床栄養学講座
Young Japanese Underweight Women with "Cinderella Weight" Are Prone to Malnutrition, including Vitamin Deficiencies (Nutrients 2023年5月7日)
[Terahata]
side_メルマガバナー

「特定保健指導」に関するニュース

2025年02月25日
【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
2025年02月25日
【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
2025年02月25日
ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
2025年02月25日
緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
2025年02月17日
働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
2025年02月17日
肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
2025年02月17日
中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
2025年02月17日
高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
2025年02月12日
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より
2025年02月10日
【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」
2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶