過去最少の野菜不足でも「改善するつもりはない」 睡眠不足も慢性的
―令和5年「国民健康・栄養調査」より
拡がる睡眠不足、4割近くが6時間未満
時間に余裕がないことと関連し、「令和5年 国民健康・栄養調査」の睡眠の状況をみてみると、「ここ1ヶ月間、睡眠で休養が充分とれていますか」との質問に対して、平成21(2009)年以降、すべての年齢層で減少傾向を示している。「充分とれている」「まあまあとれている」と回答した人が最も多かった平成24(2012)年と比較すると、9.5ポイントも低下した。
睡眠で休養が十分にとれていない人の割合は20%を超え、厚労省は「平成21年からの推移でみると男女とも有意に増加している」と指摘している。
今回の調査では1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も高く、男性35.2%、女性33.9%。6時間未満の者の割合は、男性38.5%、女性43.6%で、男性の30~50歳代、女性の40~60歳代では4割を超えていた。
今年2月に厚労省が改訂版として公表した『健康づくりのための睡眠ガイド2023』では「適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」とされている。
現代人は4割近くの人が睡眠不足に陥っている状況で、健康へのリスクが危惧されるところだ。
そのほかの項目について厚労省は調査結果のポイントとして下記をあげている。
●身体の状況
- 男性の20歳以上の肥満者(BMI≧25kg/m2)の割合は31.5%であり、平成25年から令和元年の間で有意に増加し、その後有意な増減なし。
●身体活動・運動に関する状況
- 20歳以上の歩数の平均値は男性で6,628歩、女性で5,659歩であり、直近10年間で男女とも有意に減少。
●喫煙に関する状況
- 現在習慣的に喫煙している者の割合は15.7%であり、男性25.6%、女性6.9%。直近10年間で男女とも有意に減少。
- 受動喫煙の機会を有する者の割合は、平成20年以降有意に減少。
健康日本21(第三次)での目標の設定を見据えて、地域社会のつながり等の状況を把握
- 地域の人々が「お互いに助け合っている」と思う者の割合は41.5%であり、平成23年以降有意に減少。
地域の人々とのつながりが強いと思う者の割合は31.6%。 - 地域で共食している者の割合は19.0%、友人・知人と共食をしている者の割合は65.2%。
参考資料
【報道発表資料】令和5年「国民健康・栄養調査」の結果(厚生労働省)
国民健康調査(厚生労働省)
睡眠対策(厚生労働省)
スマート・ライフ・プロジェクト(厚生労働省)
令和2年度第6回インターネット都政モニターアンケート「都民の食習慣と外食・中食の利用状況」調査結果(東京都)


「調査・統計」に関するニュース
- 2025年03月10日
- 余暇時間に運動をするとがんリスクが32%減少 余暇時間の活発な運動が寿命を4.5年延ばす 仕事の後は体を動かす習慣を
- 2025年03月10日
- 「超加工食品」は肥満・メタボ・心臓病のリスクを高める 筋肉の質も低下 「自然な食品」はリスクを減らす
- 2025年03月10日
- 日常生活での活動性が高い高齢者は認知症リスクが低い 生活範囲別に評価する質問票を開発 国立長寿医療研究センター
- 2025年03月10日
- ビタミンDのサプリが風邪や肺炎などの感染症を減少 ビタミンDは冬には半分に低下 日本人を含む5万人を調査
- 2025年03月03日
- ウォーキングなどの運動で肥満や高血圧など19種類の慢性疾患のリスクを減少 わずか5分の運動で認知症も予防
- 2025年03月03日
- 「玄米」で糖尿病を予防 食事では血糖値を上げにくい「低GI食品」を活用 新しい低GI米を開発
- 2025年03月03日
- 緑茶・コーヒーを飲むと認知機能の低下を予防できる? 日本人を長期追跡して調査
- 2025年03月03日
- 【高齢者の転倒を防止】高齢者のフラツキや不安定な歩行の原因を解明 筋肉の減少・低下やビタミンB不足など
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻